関西本線・名古屋~伊賀上野「直通」実証列車の運行日が決定 JR東海の気動車を使用



関西本線活性化利用促進三重県会議は1月9日、関西本線の名古屋~伊賀上野を直通する「実証列車」を運行すると発表した。同線の活性化に向けた取り組みの一環。

名古屋~伊賀上野の直通列車で使われるキハ75形。【画像:写真AC】

運行日は2月16・22日で、両日とも1往復運行。時刻は下りが名古屋8時51分発→関10時09分着→伊賀上野10時45分着で、上りは伊賀上野15時34分発→関16時18分発→名古屋17時44分着になる。車両はJR東海キハ75形気動車の2両編成を使用する。

団体臨時列車としての運行で、乗車には旅行商品の購入が必要だ。旅行商品は「フリープラン」「ガイドが案内する関宿歴史観光プラン」「伊賀牛グルメ満喫プラン」「伊賀鉄道車庫見学プラン」の4種類。旅行代金はフリープランの場合、名古屋~伊賀上野が7900円、名古屋~関が7600円になる。1月10日13時から日本旅行のウェブサイトで販売する。

関西本線は名古屋駅から伊賀上野駅や奈良駅を経て大阪のJR難波駅までの174.9kmを結ぶJR線。三重県亀山市の亀山駅を境に名古屋寄りはJR東海、JR難波寄りはJR西日本が運営している。

JR西日本の運営区間のうち三重県伊賀市の伊賀上野駅を含む亀山~加茂61.0kmは非電化単線。前後の電化区間からの直通列車はなく、伊賀上野駅から名古屋や大阪へ移動するには途中で列車を乗り換える必要がある。かつては名古屋~奈良を直通する急行「かすが」がキハ75形で運行されていたが、2006年に廃止された。

奈良駅で発車を待つ急行「かすが」(1999年)。【撮影:草町義和】

非電化単線区間は沿線人口も少なく、輸送密度はコロナ禍が本格化する前の2019年度が1090人、2023年度は942人だった。2022年にはJR西日本と三重県、沿線の亀山市、伊賀市で構成される利用促進会議が発足。活性化に向けた取り組みが行われている。こうしたなか、活性化策の一つとして直通列車の運行構想が浮上していた。

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