JR東日本は4月7日、本年度2020年度の駅ホームや踏切の安全対策の計画を発表した。軽量型ホームドアの整備を中心に安全対策を強化する。
駅では線区別で17駅にホームドアを整備する計画。このうち京浜東北線の4駅と横浜線の2駅、中央・総武線各駅停車の3駅は、軽量型の「スマートホームドア」を整備する。また、線状の突起を設けてホームの内外が分かるようにした「内方線付き点状ブロック」や、ホーム端部を着色して利用者に注意を促す「CPライン」、駅員や車掌が視認しやすい「高解像度ITV(モニター)」の整備も進める。
スマートホームドアはドア部分をフレームで構成したシンプルな構造のホームドア。従来型のホームドアに比べ約150kg軽い約200kgで、ホームドア設置の工期が従来型に比べ最大で4割程度短縮できるという。京浜東北線では今年2020年2月、蕨駅で初めて導入されている。
ホームドアの2020年度の設置スケジュールは、次の通り。
●山手線
東京駅 2020年5月
●京浜東北線
与野駅(スマートホームドア) 2020年12月
東十条駅(スマートホームドア) 2020年12月
上中里駅(スマートホームドア) 2021年2月
東京駅 2020年5月
品川駅(大宮方面) 2020年4月
川崎駅 2021年3月
新子安駅(スマートホームドア) 2021年1月
●根岸線
関内駅 2020年11月
●横浜線
淵野辺駅(スマートホームドア) 2021年2月
町田駅(スマートホームドア) 2021年1月
●中央・総武線各駅停車
代々木駅 2020年7月
千駄ケ谷駅 2020年6月
信濃町駅 2020年6月
市ケ谷駅(スマートホームドア) 2021年3月
亀戸駅(スマートホームドア) 2020年10月
小岩駅(スマートホームドア) 2020年11月
JR東日本が公表した統計によると、山手線30駅のホームにおける人身事故障害事故件数は、ホームドアの整備率が20%未満だった2009~2013年度が1年につき13~18件だったのに対し、20%を超えた2014~2019年度は1~11件に縮小している。
踏切事故対策では、レーザレーダーにより踏切全体の障害物を検知する「3次元レーザレーダー式障害物検知装置」を、昨年度2019年度末時点で830カ所の踏切に整備済み。従来の機能に加え、転倒した人などの検知性能を上げる機能(転倒検知)と、降雨・降雪などの誤検知を削減する機能(ノイズ除去)を備えた高機能版も2019年度から導入しており、JR東日本は順次拡大していくとしている。
JR東日本は「踏切事故対策の基本は踏切をなくすことであり、地域の皆さまのご協力をいただきながら踏切廃止に向けた取組みを進めています」としつつ、廃止が難しい踏切もあるとし、遮断機がない第3種踏切や警報器や遮断機がない第4種踏切について、警報器と遮断機を設置した第1種踏切に取り組んでいるとしている。