東京メトロは銀座線・丸ノ内線の赤坂見附駅と有楽町線・半蔵門線・南北線の永田町駅を結ぶ改札内の乗換通路に「斜行エレベーター」を設置。7月10日から使用を開始した。同社によると、斜坑エレベーターを採用したのは首都圏の鉄道では初めて。
斜行エレベーターは斜め方向に昇降するエレベーター。赤坂見附~永田町間の改札内乗換通路はエレベーター(2カ所)と階段昇降機(1カ所)をバリアフリールートとしていたが、斜坑エレベーターの設置で階段昇降機を使う必要がなくなった。
今回整備された斜行エレベーターは11人乗り。東京メトロによると、既設の構造物内に必要な空間が確保でき、掘削を伴わずに整備することが可能だったという。隣接するエスカレーター工事や内装の工事は来年2022年6月頃に完成の予定。
駅施設の斜行エレベーターは、日豊本線の中津駅(福岡県中津市、2008年使用開始)や中央本線・身延線の甲府駅ビル「セレオ甲府」(2018年使用開始)がある。万座プリンスホテル(群馬県嬬恋村)やコモアしおつ(山梨県上野原市)など、高地の住宅地や観光地の移動施設として整備された例も多い。
鞍馬寺(京都市左京区)の鞍馬山鋼索鉄道は斜行エレベーターを大型化したような簡易型ケーブルカーだが、鉄道事業法に基づく鉄道路線として運行されている。
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