東急「青ガエル」5000系、J-TRECが保存 トップナンバー車は原型の姿とどめず



鉄道車両メーカーでJR東日本グループの総合車両製作所(J-TREC)は4月19日、長野県内で保存されている「青ガエル」こと東急電鉄5000系(初代)を復元し、横浜事業所で保存すると発表した。同社の創立10周年を記念したもの。

東急の「青ガエル」こと初代の5000系(1957年12月)。【画像:J-TREC】

J-TRECが復元、保存するのはデハ5015。J-TRECは今年2022年から来年2023年にかけ横浜事業所に移送し、復元する計画としている。

5000系は1954年から1959年にかけ105両が製造された通勤電車。J-TRECの前身である東急車両製造が製造し、東急線で運用された。全体的に丸みを帯びた車体形状が注目されたほか、緑一色だったことから「青ガエル」と呼ばれた。

J-TRECによると、当時の技術としては画期的な航空機由来の張殻構造(超軽量モノコック構造)と直角カルダン駆動台車方式を採用。これにより車両重量が1両につき約10t軽量化され、その後の新幹線車両に至る日本の鉄道車両の軽量化の先駆けになったという。

老朽化のため1986年に引退したが、一部の車両は地方私鉄に譲渡された。これらの譲渡車も2016年までにすべて引退している。

デハ5015は1956年の製造。1980年に長野電鉄に譲渡され、形式・車両番号を2500系モハ2510に変えてクハ2560(東急時代はデハ5016)と2両編成を組んで運用された。1997年の引退後は2両とも鉄道模型博物館「トレインギャラリーNAGANO」(長野県須坂市)で保存されていたが、この施設が2021年3月に閉館したことから、車両の今後について注目が集まっていた。

長野で保存されている長野電鉄モハ2510(手前、もと東急デハ5015)。【画像:Rsa/CC BY-SA 3.0】
渋谷駅前に設置されていた頃のデハ5001。【撮影:草町義和】

5000系の保存車はほかに、トップナンバーのデハ5001がある。上田交通(現在の上田電鉄)に譲渡されたのち、1993年に引退。東急への返却を経て2006年には渋谷駅前にイベントスペースとして設置された。その際、車体を短縮して台車や床下機器を撤去し、原型の姿をとどめていない。さらに渋谷駅周辺の再開発を受けて2020年に撤去され、現在は秋田県大館市の観光施設に移設されている。

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