東武東上線「TJライナー」15周年ヘッドマークの掲出中止 「他社と類似」指摘で



東武鉄道は6月9日、東上線の座席指定制通勤列車「TJライナー」の運行開始15周年を記念したヘッドマークの掲出を中止すると発表した。ヘッドマークのデザインが他社のものと似ているとの指摘があったため。6月10日に運行する15周記念臨時列車のツアーは内容を一部変更して実施する。

運行を開始した頃の「TJライナー」(2008年)。【撮影:草町義和】

記念ヘッドマークは50090形電車の10両編成1本に取り付け、6月10日から10月2日まで東上線の池袋~小川町で運行する計画だったが、中止される。臨時列車のツアーは運行日や行程は変更しないが、記念ヘッドマークは掲出しない。記念品類は当日配布せず後日発送の予定。弁当は掛け紙を付けずに配布する。販売会は一部商品を除き販売する予定だ。

「TJライナー」は15年前の2008年6月14日に運行開始。指定席券を別途購入した客のみ乗車できる座席指定制(当初は座席定員制)の通勤列車で、車両はクロスシートとロングシートの両方に転換可能なデュアルシートを備えた50090形電車を「TJライナー」用として導入した。

東武鉄道はヘッドマークの掲出中止について、「掲出予定であったヘッドマークが他社で掲出されておりましたヘッドマークデザインと類似しているとのご指摘を受け現在調査中のため」としている。

東武グループは最近も著作物の無断使用で責任を問われた。2020年、東武線の駅業務を受託している東武ステーションサービス(東武SS)所属の駅員が、ネット上で公開されていた画像を加工してポスターを作成。画像制作者の許可を受けずに東上線の駅に掲出した。

画像制作者は2021年3月、東武鉄道と東武SSが著作権を侵害したとし、画像の使用料などを求めてさいたま地方裁判所に提訴。地裁は2023年2月の判決で著作権の侵害があったことを認め、東武SSに対し総額50万円の支払いを命じた。

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