JR大和路線・奈良~郡山「仮線切替」で踏切通行止め・列車運休 高架化工事の一環



奈良県は2月21日、奈良市内で実施している関西本線(大和路線)の高架化事業について、仮線への切替工事を4月12日夜から4月14日早朝にかけ実施すると発表した。切替区間内にある踏切が一時的に通行止めになるほか、列車も運休する。

大和路線の奈良~郡山に整備された仮線(手前)。列車が走る現在の線路(奥)から切り替えられる。【画像:奈良県】

通行止めになる踏切は大安寺踏切・南大安寺踏切・中八条踏切・南八条踏切の4カ所。大安寺踏切は4月12日22時から4月14日7時45分まで通行止めになるが、4月13日の6~20時は自転車・歩行者の通行は可能だ。中八条踏切の通行止め時間は4月13日20時~4月14日7時45分。南大安寺踏切と南八条踏切は4月14日の3時45分~7時45分が通行止めになる。

JR西日本も2月21日、線路の切替工事に伴い4月13日夜に大和路線・加茂~王寺を運休し、代行輸送などを実施すると発表した。奈良~王寺では4月13日の20時45分ごろから終電まで、上り(王寺→奈良)14本と下り(奈良→王寺)8本の合計22本が運休。この日の最終列車は奈良方面が天王寺20時17分発の加茂行き大和路快速で、王寺方面は奈良20時30分発の大阪方面天王寺行き区間快速になる。

JR奈良線の列車も乗り入れている加茂・木津~奈良は4月13日24時(4月14日0時)ごろから終電まで運休。上り(奈良→加茂)1本と下り(木津→奈良)2本の合計3本が運転を取りやめる。加茂~奈良の最終列車は加茂方面が奈良23時38分発の加茂行き区間快速で、奈良方面は加茂23時22分発の奈良行き普通列車。木津~奈良は木津方面が奈良23時10分発の京都行き普通列車で、奈良方面は京都22時49分発の奈良行き普通列車になる。

列車の運休中はバスなどによる代行輸送のほか、近鉄による振替輸送が実施される。

4月13日夜の運休計画。【画像:JR西日本】

高架化事業は大和路線・奈良~郡山4.8kmのうち奈良市大森町~八条4丁目の1880mを事業区間として線路を高架化するもの。京奈和自動車道の整備にあわせて都市計画道路西九条佐保線などの道路を整備し、さらに踏切4カ所を解消して交通渋滞や踏切事故、地域分断の解消を図る。高架化の区間内に新駅を設けることも計画されている。

都市計画道路西九条佐保線(赤)と大和路線の高架化区間(青)の位置。【画像:奈良県】
高架化の手順。今回の切替工事では上下線を一度に仮線へ切り替える。【画像:奈良県】

工事は現在の線路を仮設の線路(仮線)を整備し、それによって空いた敷地に高架橋を建設する仮線工法を採用。今回の切替工事では上下線を一度に仮線へ切り替える。

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