災害復旧や新線の建設など約160億円 2019年度補正予算が成立



2019年度の補正予算が今年2020年1月30日、参議院本会議で可決された。総額は4兆4722億円で、国土交通省関係の配分対象事業費は1兆3044億円。このうち鉄道局関係は162億8200万円で、災害復旧や新線の建設などに充てる。

北梅田駅(右奥)の工事が進む再開発エリア。ここからJR難波駅と南海新今宮駅に直結する新線「なにわ筋線」が整備される。【撮影:草町義和】

都市鉄道整備事業費補助は43億9900万円を計上。このうち10億2000万円は「未来への投資と東京オリンピック・パラリンピック後も見据えた経済活力の維持・向上」枠として、なにわ筋線に配分する。

なにわ筋線は、大阪駅の北側の梅田再開発エリアで工事中の北梅田駅(仮称、2023年春開業予定)から南下し、JR関西本線(大和路線)のJR難波駅と南海電気鉄道(南海電鉄)の新今宮駅を結ぶ新線。JR西日本と南海電鉄の列車が乗り入れ、大阪の中心部と関西国際空港のアクセスを改善する。

建設主体は第三セクターの関西高速鉄道で、総事業費は約3300億円。2031年春の開業に向けて着工の準備が進められており、昨年2019年7月に鉄道事業法に基づく鉄道事業が許可された。

都市鉄道整備事業費補助はこのほか、東京都交通局の都営大江戸線と都営新宿線のバリアフリー化の推進などにも配分される。

鉄道駅総合改善事業費補助は13億8600万円。山陽電気鉄道(山陽電鉄)本線の大塩駅の橋上化などに充当される。鉄道防災事業費補助は4億8500万円で、青函トンネル先進導坑の変状対策として計上された。災害対策や安全対策を支援する鉄道施設総合安全対策事業費補助は57億4300万円。えちぜん鉄道(福井県)の設備更新などに配分される。

このほか、災害復旧事業として国費ベースで34億8000万円が計上されている。