東武鉄道「減便」「時間帯変更」「直通中止」など 2022年3月12日ダイヤ改正



東武鉄道は12月10日、伊勢崎線(東武スカイツリーライン)・佐野線・小泉線・桐生線・日光線・鬼怒川線・宇都宮線のダイヤ改正を来年2022年3月12日に実施すると発表した。新型コロナウイルスの感染拡大とそれに伴う生活習慣の「これまでに無いスピードで様変わり」している状況に対応するとして、おもに列車の減便を行う。

東武スカイツリーラインの列車。【撮影:草町義和】

ラッシュ時減便や最終列車繰り上げ

平日の朝夕ラッシュ時は、一部列車の運転取りやめや列車種別の変更を実施。朝に北千住駅に到着する上り列車は、6~9時台に合計10本減らす。21時以降に北千住駅を発車する下り列車も合計11本の減便になる。

東武鉄道によると、北千住駅の利用状況(2021年10月)はコロナ禍前(2019年11月)に比べ、朝ラッシュ時(6時30分~9時30分)で31%減少。深夜時間帯(22時以降)も65%減っているという。

東武日光線の南栗橋~東武日光・新藤原間は平日・土休日とも列車本数と列車種別を見直し。下り急行の一部が普通列車に変わり、区間急行と上り急行は普通列車に格下げされる形で消滅する。

夜間作業などの労働環境の改善を目的にした最終列車の繰り上げも行われる。東武スカイツリーラインの浅草~北春日部間は、平日に最大8分程度繰り上げ。伊勢崎線・東武動物公園~久喜も土休日の下りが14分程度繰り上げられる。小泉線は平日・土休日とも太田→東小泉間で53分程度の繰り上げに。これにより太田→館林間の最終列車は伊勢崎線の足利市経由に変わり、実質的には3分程度の繰り上げになる。

このほか、佐野線・小泉線・桐生線・宇都宮線でも輸送需要にあわせ、早朝・深夜時間帯の運転本数・運転時刻の見直しが行われる。

特急など「着席ニーズ」「早い帰宅需要」に対応

特急列車などは「コロナ禍で高まる混雑を避けた着席ニーズ」に対応するため、運転時間帯の変更が中心。春日部駅を朝6時07分に発車する浅草行き「スカイツリーライナー4号」は約2時間遅い8時04分発の「10号」に変わる。

日比谷線直通の座席指定列車「THライナー」。【画像:東京メトロ】

日比谷線直通の座席指定列車「THライナー」は、「時差出勤やテレワーク等働き方の多様化が進み、夕方早い時間帯の帰宅需要の高まり」があるとして、平日夕方の久喜行きの運転時間帯を1時間早める。霞ケ関駅を17時02分に発車する久喜行きが新設され、22時02分発の久喜行きは廃止。運転時間帯は現在18~22時台から17~21時台に変わる。

他社線への直通列車も縮小

地下鉄直通列車は平日・土休日ともに日中時間帯の本数を見直す。東京メトロ半蔵門線直通列車は、日中1時間あたりの本数をダイヤ改正後も現在と同じ6本とするが、久喜発着は1本減の3本、南栗橋発着は1本増の3本に変わる。

東京メトロ日比谷線直通列車は現在、普通列車1時間あたり6本のうち2本が南栗橋発着、残り4本が東武動物公園発着。ダイヤ改正後は北春日部発着2本、東武動物公園発着4本になる。北春日部~東武動物公園間で2本減り、南栗橋直通が廃止される。

野岩鉄道会津鬼怒川線・会津鉄道会津線方面への直通列車も縮小され、特急列車や快速「AIZUマウントエクスプレス」、鬼怒川温泉始発の一部普通列車を除き、直通運転を取りやめる。直通の普通列車は鬼怒川温泉~会津高原尾瀬口間の上下各1本になり、会津線への乗り入れは中止。「AIZUマウントエクスプレス」は東武日光駅への乗り入れを取りやめる。

会津方面にも直通している特急リバティ。【撮影:草町義和】

ワンマン拡大や「特例」縮小も

運転士のみ乗務するワンマン運転の実施区間はダイヤ改正を機に拡大。東武日光線の南栗橋以北では東武宇都宮線に直通する列車のみワンマン運転を実施しているが、ダイヤ改正後は東武日光線の全区間と鬼怒川線でもワンマン運転を実施する。

特急リバティは下今市~東武日光・会津田島間のみ乗車する場合に限り乗車券だけで乗れる特例が設けられているが、ダイヤ改正後は特例区間を鬼怒川温泉~会津田島間に縮小。下今市~東武日光・鬼怒川温泉間は乗車券のほか特急券が必要になる。これに伴い、特急リバティの停車駅を一部変更する。

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