気仙沼線BRTと大船渡線BRTの直通運転を開始、専用道も増加 3月ダイヤ改正から



気仙沼線BRTの不動の沢駅。【撮影:草町義和】

JR東日本の盛岡支社と仙台支社は1月22日、バス高速輸送システム(BRT)の気仙沼線BRTと大船渡線BRTで3月14日にダイヤ改正を実施すると発表した。バス専用道を増やすほか、両BRTの直通運転も行う。

現在は気仙沼7時06分発→本吉7時45分着のダイヤで運行している気仙沼線BRTのバスの運転区間を、平日に限り拡大。大船渡線BRTの鹿折唐桑駅を6時59分に発車し、気仙沼駅を経由して本吉駅まで運転する。これにより通学時間帯の利便性向上を図るという。

気仙沼線BRTでは、不動の沢~松岩間に整備したバス専用道の使用を開始。途中に南気仙沼駅(一般道からの移設)と赤岩港駅を設ける。これにより、一般道ルート上にある気仙沼市立病院駅を経由するバスの運転本数が減るほか、専用道の拡大で柳津~気仙沼間の最短所要時間はいまより2分短縮されて1時間44分になる。

また、運行時刻を分かりやすくするため、本吉駅や陸前階上駅などから気仙沼方面に向かうバスの時刻を、一部の時間帯を除いておおむね30分ごとに発車するダイヤに変える。

大船渡線BRTでは、一般道ルートの長部~奇跡の一本松間に陸前今泉駅を新設し、待合室と上屋を整備する。運行ルートも同駅を経由するバスは変更されるが、同駅を通らないバスはいまと同じルートでの運行になる。このほか、岩手県大船渡市内のバス専用道上には大船渡丸森・地ノ森・田茂山の3駅が新設される。また、時刻表や車両の行き先表示に「快速」「普通」の種別表記を行い、運行系統を分かりやすくするという。

気仙沼線BRTと大船渡線BRTは、2011年3月に発生した東日本大震災の影響で運休している気仙沼線・柳津~気仙沼間と大船渡線・気仙沼~盛間の、代行輸送の位置づけ。震災による被害が比較的軽微だった路盤をバス専用道として舗装し、一般道と専用道を組み合わせたルートで代行バスを運行している。

JR東日本はBRT区間の鉄道事業廃止を2019年11月に届け出ており、早ければ今年2020年4月1日付け、遅くとも11月13日付けで鉄道事業が正式に廃止される見込み。BRTは鉄道を代替する恒久的な交通機関として本格運行に移行する。