根室本線・富良野~新得「廃止」JR北海道が届出 映画『ぽっぽや』幌舞駅も



JR北海道は3月31日、根室本線の一部区間について、第1種鉄道事業の廃止を届け出た。廃止予定日は来年2024年4月1日。

映画『鉄道員』で使われた駅舎や車両などが残る幾寅駅。【画像:1Point studio/写真AC】

根室本線は函館本線の滝川駅から根室駅までを結ぶ443.8kmの鉄道路線で、JR北海道は中間の富良野~新得81.7kmの廃止を届け出た。この区間には映画『鉄道員(ぽっぽや)』(1999年)の撮影地として知られる幾寅駅があり、映画では「幌舞駅」として登場する。

かつては札幌と道東エリアを結ぶ幹線輸送を担っており、1975年度の輸送密度は富良野~新得で6271人だった。1981年に短絡ルートとなる石勝線が開業すると、特急・急行列車の大半が石勝線経由に移り、富良野~新得の利用者は大幅に減少。沿線の過疎化もあり、2015年度の同区間の輸送密度は152人だった。

根室本線の廃止区間(青)。【画像:国土地理院地図、加工:鉄道プレスネット】

2016年8月、台風の影響で甚大な被害が発生。現在も東鹿越~新得で運休しており、代行バスが運行されている。また同年11月、経営が悪化していたJR北海道は「(自社)単独では維持することが困難な線区」を公表。根室本線・富良野~新得など輸送密度が200人未満の線区は鉄道廃止・バス転換の方向で地元と協議する考えを示した。

JR北海道と富良野市・南富良野町・新得町・占冠村は今年2023年3月30日、鉄道事業の廃止で正式に合意。これを受けてJR北海道は廃止を届け出た。

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