京急大師線の国道409号踏切「地下化」アンケート実施 全線地下化の中止で新対策



川崎市は京急大師線の連続立体交差事業(連立事業)で第2期区間の中止により残される踏切について、新たな対策を取りまとめた。1月26日からウェブアンケートを実施し、一般からの意見を募る。

京急大師線の列車。【画像:くろてん/写真AC】

対象の踏切は「京急川崎(大)第1踏切」「京急川崎(大)第2踏切」「港町第1踏切」「港町第3踏切」の4カ所。京急川崎(大)第1・2踏切は京急川崎~港町、港町第1・3踏切は港町~鈴木町にある。このうち国道409号との交差部にある京急川崎(大)第2踏切の交通量が最も多い。2024年12月の調査では、1日の交通量が自動車3万1520台、歩行者6796人で、自動車・歩行者ともにボトルネック踏切とされている。

京急大師線・京急川崎~鈴木町にある4カ所の踏切の位置。【画像:川崎市】
4カ所の踏切の交通量や遮断量(2024年12月調査)。【画像:川崎市】

川崎市が示した新たな踏切対策の概要によると、京急川崎(大)第2踏切は「鉄道アンダー案」による事業実施に向けた検討を進めている。この案では、踏切部に幅約11mのボックスカルバートを整備して京急大師線の線路を地下化。その前後のすり付け部はU型擁壁で整備する。計画区間の延長は約0.6km。概算事業費は約330億円で、費用便益比(B/C)は1.0以上になるとしている。

京急川崎(大)第2踏切の鉄道アンダー案のイメージ。【画像:川崎市】
京急川崎(大)第2踏切の地下化の平面図と縦断面図。【画像:川崎市】
京急川崎(大)第2踏切部の横断面図。線路をボックスカルバートで地下化する。【画像:川崎市】
京急川崎(大)第2踏切前後のすり付け部の横断面図。【画像:川崎市】

残る京急川崎(大)第1踏切・港町第1踏切・港町第3踏切は交通量が比較的少ないこともあり、川崎市は「現状、費用便益比の勘案等において、抜本的な対策の実施は、困難な状況」とし、短・中期的な取り組みとして踏切を残したまま構造や設備の改良などを行う。構造については踏切道の拡幅や道路線形の改良、歩車分離など。設備は障害物検知装置など踏切保安設備の強化を検討する。

アンケート期間は1月26日~2月15日。川崎市のウェブサイトからアクセスできるアンケート専用フォームで受け付ける。

京急大師線の当初の地下化計画(赤)。【画像:国土地理院地形図、加工:鉄道プレスネット】

京急大師線は川崎市内の京急川崎~小島新田4.5kmを結ぶ鉄道路線。小島新田駅付近を除くほぼ全線を地下化して14カ所の踏切を解消することが計画され、1993年6月に都市計画が決定された。

まず川崎大師~小島新田を第1期区間として地下化し、続いて京急川崎~川崎大師を第2期区間としてルートを変更して地下化する予定だった。しかし川崎市は2017年、費用対効果が低いとして第2期区間の事業中止を決定。この区間は部分的な地下化など新たな踏切対策を検討していた。

一方、第1期区間は東門前駅付近~小島新田駅付近を第1期(1)区間として事業に着手し、2019年3月から地下運行が始まった。川崎大師駅から東門前駅付近までは、地下化されない鈴木町駅付近からのすり付け部を含め第1期(2)区間とし、川崎市は今年2026年中の都市計画決定と2027年3月の事業認可を経て着手する方針。2037年度の地下線切替と2038年度の工事完成を目指す。

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