南武線の連立事業「認可」矢向~武蔵小杉の高架化スタート まず下り線から



神奈川県知事は1月17日、JR南武線の連続立体交差事業(連立事業)と関連する都市計画道路事業について、都市計画法に基づき事業認可した。これを受けて川崎市の建設緑政局は同日、南武線の高架化と関連道路の整備に着手すると発表した。

南武線の向河原駅に隣接する踏切。高架化で解消される。【撮影:草町義和】

南武線の事業区間は矢向駅の北側から武蔵小杉駅の東側まで約4560m。鹿島田・平間・向河原の3駅を高架化するとともに、いわゆる「開かずの踏切」5カ所を含む9カ所の踏切を解消する。あわせて高架橋に隣接、交差する都市計画道路を整備する。

南武線・矢向~武蔵小杉の平面図と縦断面図。【画像:川崎市】

南武線の高架化工事は別線工法を採用する。まず現在の下り線の西側に下り高架線を建設。下り線を高架化後、現在の下り線のスペースに上り高架線を建設する。このため高架線は現在の線路より西側にずれる。

高架化工事の流れ。【画像:川崎市】
高架化後の平間駅周辺のイメージ。【画像:川崎市】

総事業費は約1387億円で、内訳は鉄道が約1172億円、道路が約215億円。都市計画事業認可上の事業施行期間は、南武線の連立事業が2025年1月17日~2040年3月31日になる。

都市計画事業の認可を受けた鉄道・道路の概要。【画像:川崎市】

本年度2024年度から用地取得を開始し、2029年度には下り線の高架化工事を開始。2033年度には下り線の高架化を完了して上り線の高架化工事に移り、2039年度に上下線とも高架化を完了する計画だ。都市計画道路の事業施行期間は2042年度までになる。

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