京都鉄道博物館「カニ24 12」展示終了へ 「トワイライト」電源車の処遇は?



京都鉄道博物館は5月23日、同館で保存している24系客車のうち、電源車カニ24形(カニ24 12)の展示を終了すると発表した。展示終了記念イベントとして5月から6月にかけ同館1階「車両のしくみ/車両工場」エリアで展示し、車内公開も行う。

京都鉄道博物館で保存されているカニ24 12。【画像:Toshinori baba/wikimedia.org/CC BY-SA 4.0】

「車両のしくみ/車両工場」での展示は5月25日~6月27日(休館日除く)。6月13日まではカニ24 12と1等展望客車のマイテ49形(マイテ49 2)を並べて展示し、6月15日からはカニ24 12のみ展示する。展示終了後も当面のあいだは留置線で見ることができるという。

車内公開は6月16~18・23~25日の10時15分~16時40分に実施。6月1日の16時30分から発売される電子チケットが必要で、車内を4分間「独占」できる。チケットは先着順で450枚を販売。販売額は一般2900円、大学生・高校生2700円、中学生・小学生1900円で、オリジナルグッズのA4クリアファイル2枚が付く。

24系は国鉄時代の1973年にデビューした寝台特急用の客車。各車両にサービス用の電力を供給する電源車としてマヤ24形(のちのカヤ24形)が製造されたが、1974年以降は新聞輸送に対応するため、荷物室も設けたカニ24形が製造された。カニ24 12は1976年製。1987年の国鉄分割民営化でJR西日本が引き継いだ。晩年は大阪~札幌の寝台特急「トワイライトエクスプレス」で使用され、車体の塗装なども「トワイライトエクスプレス」仕様に変わった。

大阪~札幌で運行されていた寝台特急「トワイライトエクスプレス」。【撮影:草町義和】

2016年から京都鉄道博物館で保存されているが展示場所は固定されておらず、屋外留置線や本館1階の引込線などで展示。展示の際は入替作業が必要だ。京都鉄道博物館によると、車体の老朽化や部品類の経年劣化に伴い、入替作業などを伴う現在の展示方法では展示が難しくなったことから、展示を終了するという。展示終了後の車両の処遇は明らかにしていない。

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