広島駅「路面電車が乗り入れる駅ビル」広場のデザイン決定 「雁木」採り入れる



JR西日本などは2月18日、広島駅で進めている駅ビルの建替工事について、新駅ビルの広場などのデザインが決定したと発表した。

路面電車が乗り入れる新駅ビル2階広場のイメージ。【画像:JR西日本など】

広島電鉄の路面電車が乗り入れる新駅ビルの2階広場は、大きなガラス面から太陽の光が降り注ぎ、川の水面がゆらめく商業施設の壁面や、水辺にせり出す「雁木(がんぎ)」をイメージした3階テラスなど、穏やかな水辺空間を表現する。商業施設のにぎわいが広場まで広がるようにするという。

新駅ビルの2階広場のイメージ。【画像:JR西日本など】

広島の雁木は市内を流れる河川の岸で見られる階段状の構造物のこと。河川を行き交う船の荷物の積み下ろしや旅客の乗り降りで使われていた。雪国の商店街にある雪よけの屋根(雁木造)とは異なる。

屋上広場は7階から9階まで重層的につながる。広島を訪れる人や地域の人がさまざまなシーンで利用できる空間とし、広島の風景をアースカラーで表現する。また、7階屋上広場には雁木のような大階段を設け、下を通る路面電車や広島の街を眺められるほか、屋外イベントや憩いの場として利用できる空間にするという。

新駅ビル屋上広場のイメージ。【画像:JR西日本など】

JR西日本グループは広島市の「広島駅南口広場の再整備等に係る基本方針」に基づき、昨年2020年4月から広島駅ビルの建替工事を進めてきた。現在の駅ビル撤去工事や新駅ビルの設計が予定通り進んだことから、新駅ビルの建築工事が3月から始まる予定だ。完成は2025年春の予定。広島電鉄は駅前大橋経由の高架ルートに変更して新駅ビル内の2階に乗り入れる。