小田急ロマンスカー「走る喫茶室」復活 「GSE」貸切列車で日東紅茶とスイーツ提供



小田急電鉄は3月5日、ロマンスカー70000形「GSE」の貸切列車「令和版 走る喫茶室」を運転する。

かつての「走る喫茶室」の様子。【画像:小田急電鉄】

新宿駅11時30分に集合し、15時頃に小田原駅で解散の行程になる。「GSE」貸切列車の乗車時間は12時30分頃から14時30分頃まで約2時間。新宿→小田原間を「特別行路」で運転する。

紅茶ブランド「日東紅茶」を展開している三井農林が協力。車内では現役の乗務員が60000形「MSE」で車内販売に使っていたワゴンを使用し、沿線の手作り和洋菓子やケーキとともに日東紅茶オリジナルブレンドティーを席まで届ける。

目的地の小田原駅に近づいたら、小田原あんこを用いたもなかと足柄茶を提供。神奈川県茶業振興協議会が提供する足柄茶について車内アナウンスで紹介する。小田原城天守閣入場割引券やパンフレットなども配布する。

このほか、車内では「GSE」の高音質ステレオスピーカーを使ったBGMを放送。スイーツ・紅茶をイメージした特別仕様の行先表示を掲出して運行する。また、車内アナウンスを通じて、三井農林の社員やロマンスカーに乗務してきた小田急電鉄の社員が「走る喫茶室」にまつわる思い出話などを行う。

貸切列車は「GSE」で運転される。【画像:小田急電鉄】

募集人数は120人で料金は5100円(OPクレジット会員は4800円)。申込みは「小田急まなたび」ウェブサイトで受け付けている。

「走る喫茶室」は、小田急ロマンスカーで1949年から展開されていたシートサービス。車内に喫茶カウンターを設け、飲料と軽食を座席まで届けた。当初は三井農林(日東紅茶)がサービスを提供していたが、のちに森永製菓(森永エンゼル)も加わった。

1990年代に入ると、ロマンスカーは観光以外の利用者も増加し、シートサービスの展開が難しくなった。1993年に日東紅茶が撤退し、1995年には「走る喫茶室」のサービス自体が終了。50000形「VSE」の導入にあわせ2005年に復活したものの、2016年に再び終了している。

《関連記事》
小田急ロマンスカー「VSE」来年3月で定期運行終了 2023年秋頃に引退へ
小田急電鉄「子供は1カ月800円」定期券も一律低価格に、3月から