青函トンネルのケーブルカー「台車枠に亀裂」で運休 CF活用で検査実施したばかり



青函トンネルの斜坑で運行されているケーブルカー「青函トンネル竜飛斜坑線」(青森県外ヶ浜町)で車両が損傷し、9月12日から運行を休止している。

青函トンネル竜飛斜坑線の車両。【撮影:草町義和】

竜飛斜坑線を運営している青函トンネル記念館によると、9月11月にケーブルカーを検査したところ、台車枠に亀裂が入っているのを確認。関係各所と協議した結果、安全を確保できないとして運休が決まった。

記念館の営業期間は原則として毎年3月から11月まで。本年度2023年度の営業期間は11月6日までで、竜飛斜坑線は最終日の11月6日まで運休する。記念館のほかの施設は11月6日まで営業するという。

竜飛斜坑線は竜飛岬の近くにある記念館と青函トンネル内の本州側避難施設(竜飛定点)を結ぶ0.8kmのケーブルカー。青函トンネルの工事で建設された斜坑に作業員や建設資材の輸送を行うため整備された。

青函トンネルの開通にあわせ、このケーブルカーをトンネル見学の観光施設として活用する計画が浮上。記念館がケーブルカーの第1種鉄道事業免許を取得し、トンネル開通から4カ月後の1988年7月に開業した。

ケーブルカーは鉄道事業法に基づく大がかりな法定検査を5年ごとに行う必要があり、これまでは年度初めのゴールデンウィークの営業収入を検査費などに充てていた。しかしコロナ禍の影響で収入が減少。今年2023年は検査費の捻出が難しくなったことからクラウドファンディングを実施し、約1000万円を集めて4月に検査を完了したばかりだった。

記念館によると、修理についてはメーカーからの回答待ち。来年度2024年度の運行は修理の費用面も含め、めどが立っていないという。

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