QRコード乗車券で改札機を通過「スルッとQRtto」関西の鉄道・バス7社でスタート



関西エリアの鉄道・バスが参加するスルッとKANSAI協議会は5月30日、QRコードを活用したデジタル乗車券「スルッとQRtto(クルット)」のサービスを6月17日から開始すると発表した。ネット上で切符を購入し、スマートフォンに切符のQRコードを表示させることで利用できる。

スルッとQRttoのサービスを開始する大阪メトロ。【撮影:草町義和】

スルッとQRttoは当初、大阪メトロ・大阪シティバス・近鉄・京阪電鉄・南海電鉄・阪急電鉄・阪神電鉄の鉄道・バス7社でスタート。6月17日4時からスルッとQRttoのウェブサイトで切符を発売する。クレジットカードなどの決済で購入できる。

スルッとQRttoの切符の購入方法。【画像:スルッとKANSAI協議会】

購入後、スマホ画面に切符のQRコードを表示。鉄道を利用する場合はQRコードの読み取りに対応した改札機にQRコードをかざすことで改札機を通過できる。バスや観光施設では2通りの利用方法があり、スマホに切符の画面を表示させて係員に見せるか、バス車内や施設に掲示されているQRコードを読み取ってから画面を係員に見せる。

スルッとQRttoの切符の利用方法。【画像:スルッとKANSAI協議会】

6月17日から発売されるスルッとQRttoの切符はフリー切符の「大阪周遊パス 1day」(3300円)と「大阪周遊パス 2day」(5500円)の2種類で、どちらも大人用のみ。スルッとQRttoのウェブサイトのほか大阪周遊パスのウェブサイトでも購入できる。鉄道の駅では発売しない。

発売期間は「1day」が来年2025年3月31日まで、「2day」が2025年3月30日までで、有効期間は購入後3カ月以内。「1day」は利用開始日のみ、「2day」は利用開始日とその翌日に限り、フリーエリアを自由に乗り降りできる。

フリーエリアは大阪メトロの全線と大阪シティバスの路線バス全線(一部除く)、近鉄の大阪難波~今里と大阪阿部野橋~矢田、京阪電鉄の淀屋橋~千林と中之島~天満橋、南海電鉄の難波~中百舌鳥と難波~堺、阪急電鉄の大阪梅田~神崎川・三国・相川と下新庄~天神橋筋六丁目、阪神電鉄の大阪梅田~尼崎と大阪難波~尼崎。2025年1月末に開業予定の大阪メトロ中央線・コスモスクエア~夢洲は利用できない。

また、大阪城天守閣や梅田スカイビル空中庭園展望台など約40カ所の観光施設に入場できるほか、約30の施設や店舗で特典を受けられる。

阪急線は大阪梅田~神崎川・三国・相川と下新庄~天神橋筋六丁目で「大阪周遊パス」を利用できる。【撮影:草町義和】

従来の磁気カード版の「大阪周遊パス」は、2024年6月16日で発売を終了する。スマホや決済で使うクレジットカードがなければ「大阪周遊パス」は利用できなくなる。

スルッとKANSAI協議会はスルッとQRttoについて「多くのお客さまにくるっと関西一円を快適に移動いただけるよう、順次、サービス導入事業者の拡大を予定しております」としており、今後も導入する事業者が増えるとみられる。

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