近鉄線の大和西大寺駅の高架化について、関係3者の協議が事実上再開される見通しになった。奈良県の山下真知事は12月1日、従来の協議会とは別に検討会議を設置すると発表。協議会での議論の前提になる事業費の算出や調査などを行う。

奈良県によると、検討会議を構成するのは協議会と同じ奈良県・奈良市・近鉄の3者で、奈良県の県土マネジメント部長と奈良市都市整備部長、近鉄の未来創造部長が参加。「総事業費の算出等」「交通シミュレーション調査の実施」「速効対策」を3項目を議題とする。
総事業費は一定の事業方針を仮案として概略設計のうえ算出。高架化やそれに伴う周辺整備の経済効果も検証する。交通シミュレーションは3者が連携して実施し、事業の効果などを検証する。このほか、踏切渋滞対策として高架化以外の方法による速効対策案も検討する。まず今年2025年内に1回目の会合を開き、2回目以降は月1回をめどに開催する予定という。
大和西大寺駅付近には多数の踏切があって道路渋滞などの問題が生じており、3者は連続立体交差事業による高架化に向けた協議を行っていた。2023年7月に3者協議会の1回目の会合が開催され、同年11月には2回目の会合が開かれた。


しかし奈良市は3回目の会合開催に応じておらず、議論が停滞。このため奈良県は、国の来年度2026年度の予算編成に対する最重点要望の項目から大和西大寺駅の高架化が推進を外すなど、県と市のあいだですれ違いが生じている。奈良市は膨大な費用負担を警戒しているとみられる。
大和西大寺駅の高架化にかかる費用は、従来の想定では1000億円程度とされていた。山下知事は12月1日の記者会見で「(1000億円は)あらあらの数字で、人件費や資材が高騰する前の想定。数字としては信憑性が乏しくなっているので、改めて費用をかけて総事業費を算出する。そのうえで、その負担をどうしていくかということを協議会の場において検討していく」と話した。
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