徳島県は徳島市内の鉄道高架事業について、同県と徳島市、JR四国の3者による協議の状況を公表した。高架化最大の課題となっている徳島駅併設の車両基地の移転については、徳島市が車両基地を移転しない代替計画を新たに提案した。

この事業は高徳線・佐古~徳島(出来島踏切西側)から徳島駅を経て牟岐線・文化の森駅付近(園瀬川左岸)まで約4.7kmの線路を高架化し、13カ所の踏切を解消するもの。2006年度に連続立体交差事業として着工準備が採択された。その後は分割整備を主張する徳島県と全区間一括の都市計画決定を主張する徳島市の対立などもあり、協議や検討が停滞していた。
車両基地の移転先は、現行計画では高架化の範囲外になる徳島市南部の牟岐線沿いとされており、地蔵橋駅付近に整備することが見込まれている。一方、徳島県は昨年2024年11月に新計画を発表。徳島駅に近い旧文化センター跡地に高架構造の車両基地を整備するものとした。
3者協議は2024年12月から今年2025年11月までに7回実施。この協議のなかで、徳島市は現行計画や新計画の代替として「徳島駅北側の現車両基地位置に高架橋構造で車両基地を再整備する案」を提案した。このため協議では現行計画・新計画・代替計画の3案について、経済性や基地周辺への影響などの観点から条件整理を実施した。

徳島県が明らかにした条件整理の結果によると、建設コストは現行計画が約800億円で、新計画は約850億円。代替計画の費用は明らかにしていないが「施工手順上、基地を仮移転することが想定され、その場合、仮基地の整備及び撤去の費用が事業費に上乗せされる」とし、現行計画や新計画より高くなる可能性を示唆している。
車両基地から徳島駅までの車両回送コストは、徳島駅近くに車両基地を設ける新計画と徳島駅に車両基地を併設する代替計画を同程度と見込む。一方、現行計画は徳島駅から最も離れた場所に車両基地を設けることから回送コストが増大。「車両の動力費に加え、社会的な人手不足の中での運転手確保など人的コストについて、JR四国の負担がこれまでよりも大きくなり、基地を利用する長期間にわたり負担増となり、建設コスト差以上のコストとなる可能性がある」としている。
事業期間の見込みは現行計画が約17年なのに対し、新計画は約13年。車両基地の仮移転が想定される代替計画は新計画より長くなる可能性があるとしている。また、現行計画は高架化の区間外で踏切遮断時間が長くなるのに加え、車両基地の候補地が民地であることから用地買収が難航するおそれがあることも挙げている。
このほか、徳島市が2010年と2019年に策定した徳島駅周辺と二軒屋駅付近のまちづくり計画についても、計画の見直しや再検証が必要であるとした。
徳島県はこれまでの協議でこれらの課題を確認・共有したとし、引き続き3者で今後の対応案について協議していくとしている。
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