釧路駅の高架下道路「ふりだし」に戻る 直線道路案の設計費など市議会否決



JR根室本線・釧路駅付近(北海道釧路市)の高架化構想で、高架下に整備する道路の計画変更が「ふりだし」に戻った。釧路市議会は9月17日、高架下道路の設計費などを盛り込んだ補正予算案を賛成少数で否決。釧路市は設計費分を減額した修正案を改めて提出し、9月25日に全会一致で可決した。

高架化が構想されている釧路駅。【画像:nozomi500/写真AC】

釧路駅の高架化構想は当初、高架下にL字型のバス専用道を整備することが考えられていた。しかし釧路市は「北大通と共栄新橋大通を真っすぐ通行できず、迂回が生じ、わかりづらく、駅周辺施設へのアクセス性は向上しない」とし、2車線の直線道路を整備する方針に転換。補正予算案に概略設計費など2000万円を盛り込んでいた。

これに対し、市議会議員は「(鶴間秀典市長は)直線化の必要性など一切の説明をすることなく、議論を避ける態度で議会にのぞみ、我々市議会議員が責任ある審議ができない」「長年議論して市民理解も進んできたL字案から急きょ直線案へ変更する理由を本会議や特別委員会で質問してきたが、変更理由も乏しく、検討材料も十分とはいえない」などとして反発。9月17日の議会で補正予算案を否決した。

釧路市議会で市長提案の議案が否決されたのは、2011年12月以来14年ぶりという。

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