国鉄時代ほうふつ「普通客車列車」再び運行 大井川鉄道、運行時間帯を拡大



大井川鉄道(静岡県)は10月13日、大井川本線で「普通客車列車」を10月から12月にかけ運行すると発表した。6~7月に続き2度目の実施。通常はSL列車など観光客の向けの列車で使われているレトロな国鉄旧型客車を電気機関車が牽引し、運賃だけで乗車できる普通列車として運行する。

「普通客車列車」で使われる国鉄旧型客車の車内。【画像:大井川鉄道】

運行日は10月24~26日、11月8・9・15・28・30日、12月5~7・26・27日ののべ13日。上下計6本を各駅停車で運行する。列車番号と運行区間、時刻は次の通り。

●下り
第51列車:新金谷13時46分発→家山14時21分着
第53列車:金谷16時00分発→川根笹間渡16時50分着
第55列車:金谷18時34分発→川根笹間渡19時24分着

●上り
第52列車:家山14時45分発→新金谷15時21分着・15時41分発→金谷15時45分
第54列車:川根温泉笹間渡17時18分発→金谷18時14分着
第56列車:川根笹間渡温泉19時37分発→新金谷20時21分着

車両は旧型客車2~3両編成で前後に電気機関車を連結して走る。ただし第51列車は電気機関車1両で牽引し、家山駅の到着後に電気機関車の位置を変える「機回し作業」を実施。第52列車も電気機関車1両で牽引するが、新金谷駅で機回し作業と電気機関車の増結を行う。列車内には車内販売員が乗り込み、飲物や酒、軽食、菓子などを販売する。

大井川鉄道はSL列車が有名だが「普通客車列車」は電気機関車が牽引する。【画像:大井川鉄道】
車内販売も行われる。【画像:大井川鉄道】

普通列車のため乗車区間に応じた運賃で利用することができ、SL列車などで別途払う必要がある急行料金は不要。普通客車列車が運転される日の1日に限り大井川本線・金谷~川根温泉笹間渡を自由に乗り降りできる特別フリー乗車券「川根路ミニ周遊券」(4500円、車内販売利用券1000円分付き)でも利用できる。

6~7月に実施された前回の普通客車列車は、通常は電車で運行されている定期運行の普通列車を旧型客車に置き換える形で運行。国鉄時代の客車普通列車をほうふつとさせる姿が話題になった。大井川鉄道によると、のべ2000人以上が乗車したという。

今回の普通客車列車は臨時列車として運行されるため純粋な増発に。前回は夕方から夜間にかけての運行だったが、今回は昼間の13時台から夜間の20時台に拡大する。大井川鉄道は「昼間から夜にかけて変わりゆく景色をお楽しみ頂けるようになります」とアピールしている。

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