JR東日本は10月8日、運賃改定を来年2026年3月14日に実施すると発表した。これにあわせてJRグループの旅客6社が関係する営業制度も一部変更。東海道本線・東海道新幹線の一部区間の別線化や往復・連続乗車券の廃止などを行う。

JR東日本の運賃は平均で7.1%の値上げ。東京圏の電車特定区間と山手線内の運賃を幹線運賃に統合したうえで幹線・地方交通線の運賃を値上げする。運賃以外の料金は改定しない。普通旅客運賃の初乗りは紙の切符の場合で10円値上げの160円。
この改定でJR本州3社の幹線運賃と地方交通線運賃は、JR東日本とJR東海・JR西日本の2社で異なるようになる。このためJR東日本線とJR他社線にまたがって利用する場合は通算加算方式を導入。現在のJR本州3社の幹線・地方交通線運賃を基準額とし、これにJR東日本の営業キロに基づく加算額を加算する。加算額は幹線の場合、1~10kmが10円。101~120kmは110円だ。
大船~(JR東日本)~国府津~(JR東海)~御殿場の幹線66.7kmの場合、全区間の基準額(1170円)にJR東日本区間の加算額(大船~国府津の幹線31.2km=30円)を加算。大船~御殿場の運賃は1200円になる。

東京~熱海は東海道本線経由の乗車券で東海道新幹線を利用したり、東海道新幹線経由の乗車券で東海道本線を利用したりできるが、今回の運賃改定で別線化し、どちらのケースも利用できなくなる。また、品川~小田原や東神奈川~小田原などで東海道本線経由と東海道新幹線経由のどちらでも利用できる選択乗車を廃止する。

このほか、JR旅客6社は往復乗車券と連続乗車券の発売を2026年3月13日限りで終了。同時に往復乗車券の割引や連続乗車券の有効日数の2行程通算も終了する。現在の学生割引は1枚の割引証で往復乗車券と連続乗車券を購入できるが、運賃改定後は1枚の学生割引証で片道乗車券を2行程まで購入できるようにする。

JR東日本は昨年2024年12月に運賃改定を申請し、今年2025年8月1日に認可。これに続いてJR東日本とJR東海は東海道本線・東海道新幹線の別線化による運賃計算方法の変更を申請し、9月26日に認可された。JR東日本はこれまで改定時期を2026年3月としていたが、改定日は明らかにしていなかった。
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