城端線・氷見線「新型車両」デザイン公表 丸窓や木目、あいの風とのつながりも表現



城端線・氷見線に導入される新型車両のデザインが5月16日、明らかになった。同日、富山県やJR西日本、あいの風とやま鉄道などで構成される「城端線・氷見線再構築会議」の第4回会合が開かれ、新型車両のデザインなどが示された。

新型車両の外観イメージ。【画像:富山県】

相鉄デザインブランドアッププロジェクトなどを手がけている「PRODUCT DESIGN CENTER」の鈴木啓太代表がデザインを担当。コンセプトは「KASANE」で、沿線4市の重なり合う魅力などを表現した。

車両外観は沿線の風景や自然になじみ、海と山を結ぶ路線を表現。あいの風とやま鉄道とのつながりも感じるデザインとした。前面は安全性と審美性を両立した立体感あるデザインとし、ライトにLEDを使用することで個性豊かな表現を可能にした。

車両前面(左)と側面(右)のイメージ。一部に丸窓を採用する。【画像:富山県】

内装は天井や床に木目を活用して温かみを演出。座席は沿線の車窓から望める緑をベースにデザインした。一部の窓は丸窓を採用。利用者が沿線の魅力や路線への愛着、ワクワク感を感じられるデザインにしたという。

クロスシートが配置された車内のイメージ。木目のデザインを採用している。【画像:富山県】

城端線・氷見線は、あいの風とやま鉄道線の高岡駅を起点とする非電化単線の鉄道路線。城端線は山寄りの高岡~城端29.9km、氷見線は海寄りの高岡~氷見16.5kmを結ぶ。いずれもJR西日本が運営しているが、昨年2024年2月に鉄道事業再構築実施計画が認定。北陸新幹線の並行在来線(北陸本線)の経営を引き継いだ第三セクターのあいの風とやま鉄道が、2028年度に城端線・氷見線の経営を引き継ぐ。

城端線の列車。【撮影:草町義和】
海岸に沿って走る氷見線の列車。【画像:くろてん/写真AC】

経営移管前に新型車両や交通系ICカードの導入に加え、譲渡後の増便・パターンダイヤ化に向けた改良などを実施。移管後は両線の直通化に向けた改良を実施する計画だ。関係各者は2024年4月に再構築会議を設置。これまで交通系ICカードへの対応や新型車両について、検討や意見交換を行ってきた。本年度2025年度は実施計画で定める利便性や快適性の向上策について協議する予定だ。

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