西鉄は9月17日、貝塚線の輸送力を増強する考えを明らかにした。同線の旧型車両を更新するのにあわせて車両数も増やし、朝ラッシュ時の混雑緩和に取り組む。

貝塚線では現在、1962~1972年に製造された600形電車が16両(2両8編成)運用されている。導入から60年以上過ぎた車両もあって老朽化が激しい。西鉄によると、現在は天神大牟田線系統で運用している7050形電車の全18両(2両9編成)を本年度2025年度から2027年度にかけて貝塚線に転属させ、600形を置き換える。これにより貝塚線の車両はいまより2両増加。来年2026年春のダイヤ改正では朝ラッシュ時に増便し、混雑の緩和に取り組むという。
7050形は2003年に製造された電車。2000年に製造された7000形をベースに開発されたが、ドアは1両につき片側4カ所の7000形に対し7050形は3カ所に減らしている。

現在の貝塚線は貝塚~西鉄新宮の11.0kmを結ぶ鉄道路線。貝塚駅で福岡市営地下鉄箱崎線との連絡を図っており、福岡の都心部と北東部郊外を結ぶ。かつては貝塚~津屋崎の20.9kmを結んでおり線名は宮地岳線だったが、2007年に西鉄新宮~津屋崎が廃止されて現在の線名に変わった。

輸送密度は2007年度で7244人だったが、2010年代には沿線の開発が進んだことから急速に増加。コロナ禍が本格化する前の2019年度は8855人だった。これに加えてラッシュ時の運転間隔拡大や1編成の車両数を3両から2両に減らしたこともあって、現在は混雑が激しい。
混雑率は2010年代初頭が130%台だったのに対し、昨年度2024年度は164%に悪化。国土交通省による全国の混雑率調査対象路線のなかでは東京都の日暮里・舎人ライナー(177%)に次ぐ2位を記録している。
《関連記事》
・西鉄貝塚線の600形「アイスグリーン」に 引退を控え大牟田線時代の塗装を復刻
・西鉄貝塚線の5駅「遠隔管理の無人駅」に 天神大牟田線は37駅に拡大
・アイランド線:西鉄貝塚線~アイランドシティ(未来鉄道データベース)
