北陸本線・森田~福井の新駅「近町踏切付近」に 3カ所から絞り込み、検討会議が報告



福井市の並行在来線新駅設置候補地検討会議は12月22日、現在の北陸本線・森田~福井に設ける新駅について、「近町踏切付近」が設置場所に適しているとした報告書を同市の東村新一市長に提出した。

北陸本線の福井駅。【撮影:草町義和】

報告書によると、(1)開発踏切付近、(2)大願寺地下道~開発踏切付近、(3)近町踏切付近の3カ所を新駅の候補地として比較検討。1日あたりの利用者数は開業1年目で開発踏切が806人、大願寺地下道~開発踏切が872人、近町踏切が938人で近町踏切が最も多く、10年目・30年目・50年目でも近町踏切が最多とした。費用便益比でも近町踏切の数値が最も大きく、開業後30年で1.11、50年で1.14とした。

将来のまちづくりの可能性については、開発踏切と大願寺地下道~開発踏切は「既成市街地であり、新たな開発は見込めない」とする一方、近町踏切は「市街化調整区域であり、法的制約はあるが民間による開発の余地がある」とした。

報告書ではこのほか、交通量が増加傾向にある都市計画道路の高木灯明寺線が新駅の設置でさらなる増加が見込まれるとして先行整備を進めることや、パーク&ライド駐車場の整備や検討、駅周辺のまちづくりとの連携の検討を求めた。

森田~福井に設けられる新駅候補地の位置。【画像:国土地理院地形図、加工:鉄道プレスネット】

北陸本線は北陸新幹線・金沢~敦賀の延伸開業(2024年春予定)にあわせて同区間がJR西日本から分離され、第三セクターのハピラインふくいが経営を引き継ぐ。新駅の整備は経営分離後の活性化策の一環。福井市は今年2022年6月に学識者などで構成される検討会議を設置し、候補地を絞り込むための調査・検討を進めてきた。

整備時期は未定。事業費は少なくとも10億円以上になるとみられている。

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