日立製作所グループで鉄道システム事業を担う日立レールは9月8日（現地時間）、米国メリーランド州のヘイガーズタウンに整備した鉄道車両製造工場を本格的に稼働した。ワシントンDCやボルチモア、フィラデルフィアなど北米向けの鉄道車両を製造する。
日立製作所によると、ヘイガーズタウン工場は約2万9000平方mで月間20両の鉄道車両の製造が可能。総投資額の1億ドル（約148億円）のうち3000万ドル（約44億円）以上を「デジタル強化」に投資しており、製造工程などをリアルタイムで監視するほか、3Dプリンティングによるスペア部品や工具のオンサイトでの製造などを実現した。
また、100％再生可能エネルギーを調達する契約により、二酸化炭素（CO2）の排出ゼロを実現。AIシステムによりエネルギー消費効率を常時監視して最適化している。開設初日から埋立廃棄物ゼロで運営されており、太陽光発電によって年間約80万kgのCO2削減が見込まれているという。
日立レールは同社が受注済みの車両のうち、ワシントン首都圏交通局（ワシントンメトロ）向け256両とメリーランド州交通局（ボルチモアメトロ）向け78両、南東ペンシルバニア交通局向け200両をヘイガーズタウン工場で製造する計画だ。
日立製作所はヘイガーズタウン工場の本格稼働により「460人の直接雇用を創出するとともに、地域全体で約1300人の雇用と年間3億5000万ドル（約518億円）の経済効果をもたらします」としている。
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