日立レール「デジタル信号に対応した蒸気機関車」世界初、英国で試験



日立レールは4月16日、デジタル信号システムを採用した英国の鉄道路線で蒸気機関車の試験が完了したと発表した。同社は「デジタル信号路線を運行する世界初の蒸気機関車」とアピールしている。

蒸気機関車のA1形60163号機「トルネード」(写真は2009年)。【画像:Phil Sangwell/flickr.com/CC BY 2.0】

試験が行われたのはウェールズのカンブリアン線。信号システムは欧州列車制御システム(ETCS)のうち、地上局と車両の信号情報のやり取りにデジタル無線を使用する「ETCS Level 2」を導入している。試験ではA1形蒸気機関車の60163号機「トルネード」を改修して使用。蒸気機関車の運用上の制約などに適合させたETCS車載システムを搭載した。

「トルネード」の運転室。左上にETCS車載装置のモニター画面などが見える。【画像:日立レール】

日立レールは「トルネードの改修は、最も複雑で過酷な運用環境で当社の技術をテストした世界初のプロジェクト。(今回の試験で)従来のシステムとデジタルシステムが共存できることを証明した」としている。

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