西武多摩川線で「サイクルトレイン」実験 定期列車で自転車持ち込みOK



自転車を持ち込んで西武多摩川線の列車に乗るイメージ。【画像:西武鉄道】

西武鉄道は6月10日、多摩川線で「サイクルトレイン」の実証実験を行うと発表した。自転車をそのまま列車内に持ち込めるようにする。

実証実験の期間は7月1日~9月30日。多磨駅を除く多摩川線の全駅で、10~15時台(土曜・休日は8~17時台)に限り列車内に自転車を持ち込むことができる。利用できる列車は次の通り。

平日上り:是政10時09分発~15時45分発の列車
平日下り:武蔵境10時06分発~15時42分発の列車

土曜・休日上り:是政8時09分発~是政17時45分発の列車
土曜・休日下り:武蔵境8時06分発~武蔵境17時42分発の列車

持ち込み料は無料。一人につき1台まで自転車を持ち込むことができる。原動機付自転車やスタンドが付いていない自転車、長さ180cm・幅45cmを超えるサイズの自転車は持ち込むことができない。利用できるのは原則として中学生以上の客に限られるが、保護者同伴なら小学生以下でも利用できる。

4両編成の列車のうち1号車(武蔵境寄り先頭車)に限り、8台まで自転車を搭載できる。列車内では固定ベルトを使用し、客自身が自転車を支える必要がある。8台を超える利用がある場合、西武鉄道は次の列車を利用するよう案内している。

自転車とともに改札を通るイメージ。【画像:西武鉄道】
自転車を列車内に持ち込んだイメージ。【画像:西武鉄道】
養老鉄道の養老線(岐阜県・三重県)で実施されている「サイクルトレイン」。【撮影:草町義和】

多くの鉄道では自転車を分解して袋に入れれば持ち込み可能だが、ローカル線などを中心に、自転車をそのまま持ち込むことができる「サイクルトレイン」の制度を導入している路線もある。大都市圏の路線で定期運転の列車を使った「サイクルトレイン」は珍しい。

西武鉄道は「サイクルトレイン」の導入について「普段のお買い物やサイクリングなどにおけるお客さまの行動範囲を広げることにより地域交通の利便性を拡充します」としている。

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※追記(2021年6月11日17時58分):当初「西武鉄道によると、定期列車による『サイクルトレイン』は大手私鉄初」としていましたが、近鉄が1998年から養老線で「サイクルトレイン」を実施し、2005年には伊賀線でも「サイクルトレイン」を試験実施していました。このため「大手私鉄初」とした文言を削除し、一部加筆しました。なお現在は両線とも近鉄から経営分離され養老鉄道と伊賀鉄道が列車を運行していますが、「サイクルトレイン」は引き続き実施されています。