スペイン高速鉄道で2本の列車が脱線・衝突 少なくとも39人死亡



スペイン南部で1月18日夜、走行中の高速列車が脱線し、これに別の高速列車が衝突した。スペインの鉄道事故調査委員会(CIAF)は、日本時間の1月20日19時20分時点で乗客乗員39人の死亡と乗客152人の負傷を公表しているが、死傷者はさらに増えるとみられる。

スペイン・アダムズの事故現場。【画像:スペイン治安警備隊】

CIAFなどによると、事故は1月18日の19時45分(現地時間)に発生。マラガを18時40分に発車したマドリード行き列車(列車番号:Iryo6189)の後方2両がアダムズ(アンダルシア州コルドバ県)で脱線し、脱線した車両は隣接する線路に進入した。このとき、隣接する線路を走っていたウエルバ行き列車(列車番号:Alvia2384)がIryo6189列車の脱線車両に衝突。先頭2両が線路脇の土手下に転落した。

事故が発生したアダムズの位置。【画像:OpenRailwayMap/OpenStreetMap、加工:鉄道プレスネット】

事故が発生した路線は、スペインの首都マドリードと南部のセビリア・マラガ方面を結ぶ軌間1435mmの高速鉄道。スペイン国営企業の鉄道インフラ管理会社(ADIF)が線路施設を管理している。事故現場の線路は対応最高速度が250km/hで直線。

最初に脱線したIryo6189はスペインの民間高速鉄道事業者「ILSA」が運行しており、Iryo6189に衝突したAlvia2384は国有鉄道企業「レンフェ」の旅客輸送部門「レンフェ・ビアヘロス」の列車だった。Iryo6189の車両はETR1000形。2015年からイタリアで運用されている高速車両で、ILSA向けのETR1000形を日立レール(イタリア)とボンバルディアが共同で受注、製造した。Alvia2384はスペイン車両メーカーのCAFが製造した軌間可変電車(フリーゲージトレイン)の120系。軌間1435mmの高速鉄道と軌間1668mmの在来線を走行できる。

ILSA(Iryo)のETR1000形。【画像:Trabajo propio/wikimedia.org/CC BY-SA 4.0】
レンフェの120系。【画像:Remontees/wikimedia.org/CC BY-SA 4.0】

スペインでは2013年7月にも高速列車の脱線事故が発生し、79人が死亡した。このときは在来線のカーブ区間を走行中で、速度超過が直接の原因とされている。

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