日立がスペイン向け「ETR1000」30年間の保守契約 イタリアで実績の高速車両



日立製作所グループの日立レール(スペイン)は、スペインの鉄道運営会社「Intermodalidad de Levante」(ILSA)と高速車両の保守契約を締結した。日立製作所が10月22日(日本時間)、発表した。

イタリア・トレニタリアが運行しているETR1000(ETR400)。【画像:Hitachi Rail】

日立レール(スペイン)は、ILSAが導入する高速車両「ETR1000形」20編成について、30年間(2052年まで)のメンテナンスを行う。契約額は7億3700万ユーロ(約980億円)。

ILSAはスペイン初の民営高速鉄道事業者で、イタリアの鉄道運営事業者「トレニタリア」とスペインの航空会社「エア・ノストラム」の合弁。マドリード・バルセロナ・セビリア・マラガ・コルドバ・バレンシア・アリカンテ・サラゴサを結び、800万人の乗客を輸送することを目指す。2022年に運行を開始する予定。

ETR1000形は2015年からイタリアで運行を開始した高速車両(イタリアの車両としての形式はETR400形)。最高速度は営業360km/h、設計400km/hだ。日立レール(イタリア)とボンバルディア・トランスポーテーションは昨年2020年8月、トレニタリアからILSA向けETR1000形23編成を共同で受注。イタリアのピストイア工場で製造される。

第1編成はすでに完成しており、スペインで認証試験中。第2編成と第3編成は今年2021年末までにスペインに到着する予定だ。1編成の全長は約200mで、乗車定員は約460人。5G Wi-Fiを提供し、バーエリアなどを設ける。

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