秩父鉄道と埼玉県行田市は6月20日、秩父鉄道のSL列車「SLパレオエクスプレス」の運行区間を延伸し、行田市発「SL日本遺産のまち行田号」として特別運行すると発表した。これに先立ち行田市~熊谷で「SL試乗会」を実施する。

「SL日本遺産のまち行田号」の運行日は8月30日。行田市駅を9時55分に発車する下り三峰口行きとして運行する。上りは三峰口駅から熊谷駅までの運行だ。列車はC58形蒸気機関車363号機と12系客車4両、電気機関車1両で構成される。乗車方法や切符の購入方法、料金などは通常の「SLパレオエクスプレス」とは異なる。詳細は7月中旬に秩父鉄道のウェブサイトで案内する。
SL試乗会は7月22日に実施。行程は行田市10時54分発→熊谷→行田市12時17分着で、途中下車はできない。乗車できるのは行田市に住民登録がある中学生以下の子供とその保護者のグループ(2~4人)。事前申込制で応募は6月26日から7月10日まで行田市電子申請・届出サービスで受け付ける。募集人数は70組280人で応募者多数の場合は抽選。
「SLパレオエクスプレス」は1988年に運行を開始した秩父鉄道のSL列車で、通常は熊谷~三峰口で運行されている。秩父鉄道と行田市によると、行田市~熊谷の延伸運行は今回が初めて。これまで運行したことがない区間を走るため、営業運行に支障しない夜間に線路閉鎖の手続きを取ったうえで試運転を行い、運行に問題がないことを確認したという。

行田市は埼玉県北部に位置する市。足袋の生産地として知られており、2017年には「和装文化の足元を支え続ける足袋蔵のまち行田」として日本遺産の認定を受けた。
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