広島電鉄で「ワンマン神戸市電」復活 移籍50周年企画、ヘッドマークの掲出も



広島電鉄は10月7日、神戸市電から移ってきた路面電車の移籍50周年にあわせ、神戸市電時代のデザインを復元するなどの記念企画を実施すると発表した。実施期間は10月14日~12月26日。神戸市営地下鉄でも連動した企画が行われる。

神戸市電時代の「ワンマンデザイン」が復元される広島電鉄582号。【画像:広島電鉄】

神戸市電から移籍した電車のうち、現在も現役で運行されているのは582号と1156号の2両。このうち582号は神戸市電時代の「ワンマンデザイン」を復元する。神戸市電では緑の濃淡2色にオレンジのラインを入れた電車がワンマンカーの目印だったが、広島電鉄に移籍後はオレンジのラインがなくなった。

今回、このオレンジのラインを復活させ、50年前の神戸市電時代の姿で広島市内を走る。ただし10月27日~11月14日は「選挙用花電車」として運行される予定で、この場合は「ワンマンデザイン」が隠れる可能性がある。

また、582・1156号の2両とも移籍50周年の記念ヘッドマークを掲出。車内には50年の歴史を振り返るポスターを掲示する。2両は通常、土曜・休日は運行される機会が少ないが、記念企画の実施期間中は582号と1156号のどちらか1両のみ土曜・休日も運行。582・1156号を指定しての貸切運行も10月21日~12月26日の期間に限り受け付ける。貸切運賃は通常と同じで、市内線1行程1万8240円から。

このほか、移籍50周年記念グッズとして「銘板キーホルダー」(2200円)を10月14日から販売。神戸市営地下鉄北神線の谷上駅でも50周年記念の装飾が行われる。

神戸市電から移ってきた車両のうち現役で運用されているのは582号と1156号の2両のみ。【画像:広島電鉄】

神戸市電は1910年、私鉄の路面電車として開業。1917年に市営化された。最大36.5kmのネットワークだったが、自動車社会の進展などで1971年に全廃。その際、広島電鉄が570形電車(神戸市電時代は500形)17両と1100形電車5両、1150形電車7両の計29両を譲り受けた。

これらの車両も老朽化のため大半が廃車されており、現在残っているのは570形の582号と1150形の1156号だけだ。

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