まやビューライン「摩耶観光ホテル」文化財登録で記念切符 車内案内「高校生」に



廃墟と化した摩耶観光ホテル。【画像:ぱりゅーん/写真AC】

摩耶ケーブルカー・摩耶ロープウェー(まやビューライン)を運営する神戸すまいまちづくり公社は8月6日、「旧摩耶観光ホテル」が国の登録有形文化財に登録されたのを受け「登録記念乗車券」を発売すると発表した。

ケーブル往復券1枚とロープウェー往復券1枚、全線往復券1枚の3枚セットで、発売額は3120円。A4二つ折り(A5仕上がり)大型台紙が付く。8月13日から摩耶ケーブル駅と星の駅で発売する。1000セット限定。

このほか、8月9日から摩耶ロープウェー車内の音声案内をリニューアルする。まやビューライン沿線の兵庫県立神戸高校の放送委員会が日本語案内を行う。英語案内は神戸市の市長室国際部国際課。案内時間は約5分。

旧摩耶観光ホテルは摩耶ケーブル虹の駅に隣接するホテルの遺構。かつて摩耶ケーブルカーを運営していた摩耶鋼索鉄道が建設し、1929年にオープンした。1970年までにホテルとしては営業を終了。その後は学生向けの合宿施設になったが、1990年代前半には使われなくなった。

近代建築としてアールデコ風のデザインが評価され、文化審議会は今年2021年3月、登録有形文化財として登録するよう答申した。神戸すまいまちづくり公社は「その優美な佇まいから『廃墟の女王』と呼ばれ、意匠の価値が認められ廃墟としては日本で初めて国の登録有形文化財となりました」としている。

1995年の阪神・淡路大震災で損傷したため、通常は立入禁止。摩耶ロープウェーのゴンドラから外観を見ることができるほか、摩耶山再生の会が主催するガイドウォークに参加すれば建物を間近で見学できる。

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