JR東日本の高崎支社は7月19日から、同支社のエリア内で運行しているSL列車の補助機関車を事業用車のGV-E197系気動車に変更して運行する。

GV-E197系が連結されるSL列車は、信越本線の高崎~横川を走る「GV・SLぐんま横川」(高崎発)と「SL・GVぐんま横川」(横川発)、上越線・両毛線の高崎~桐生を走る「SL・GVぐんま桐生」(高崎発)と「GV・SLぐんま桐生」(桐生発)。蒸気機関車(1両)+12系客車(3両)+GV-E197系(2両)の順で編成を組む。


列車名の最初が「GV」になる列車はGV-E197系が編成の先頭に立ち、「SL」の場合は編成後方にGV-E197系が連結される。GV-E197系には新規にデザインしたヘッドマークを装着。信越本線の列車は妙義山、両毛線の列車は赤城山を取り入れるとともに「新型車両の持つ先進性や近未来感」を表現したデザインにしたという。

高崎支社のエリア内で運転されているSL列車は、D51形蒸気機関車の498号機かC61形蒸気機関車の20号機が牽引。ただし列車の折り返し駅に転車台がない場合、従来は電気機関車かディーゼル機関車を補助機関車として蒸気機関車とは反対側に連結し、復路は電気機関車やディーゼル機関車が先頭に立っていた。
しかし、高崎支社の電気機関車とディーゼル機関車は昨年2024年秋で運用を終了。このためGV-E197系が補助機関車の代替としてSL列車に連結されることになった。


GV-E197系は砕石輸送や砕石散布作業、入替作業、回送車両の牽引などに使われる新型の事業用気動車。国鉄時代に製造され老朽化した機関車の更新用として、2021~2024年に製造された。
高崎支社によると、GV-E197系がSL列車を牽引するためには特別な改造が必要だったといい、とくにブレーキの調整に時間がかかった。SL列車の運行に向けて信越本線や両毛線で試運転を繰り返し、「GV+客車+SLの編成」を実現することが可能になったという。
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