阪急電鉄は10月24日から、十三駅(大阪市淀川区)でカメラ画像を使った流動調査を実施する。同社が構想している新線「なにわ筋連絡線」「新大阪連絡線」の検討の一環。
調査期間は10月24~28日の5日間。十三駅の構内と同駅に停車する列車を撮影する。カメラの設置場所は改札口周辺やホーム、地下道、跨線橋の113カ所を予定。録画した映像から目視によるカウントと人工知能(AI)による解析を行い、各車両ドアの乗降人数や昇降設備・通路の利用人数、列車内の混雑率、ホームの滞留人数、歩行速度を調べる。
この計測結果から流動シミュレーションモデルを構築し、なにわ筋連絡線・新大阪連絡線の検討に活用する。阪急電鉄によると、計測結果と流動シミュレーションモデルに個人の特定につながる情報は含まれないという。
なにわ筋連絡線は、東海道本線貨物支線(梅田貨物線)の地下化にあわせ大阪駅北側に新設される北梅田駅(仮称)と十三駅を結ぶ約2.5kmの新線構想。新大阪連絡線は十三~新大阪~淡路の約4.0kmを結ぶ新線計画だったが、現在の計画では十三~新大阪の2.3kmに短縮されている。
北梅田駅は来年2023年、営業上はJR大阪駅の地下ホームとして使用開始の予定。さらに2031年春には北梅田~JR難波・南海新今宮を結ぶJR西日本・南海電鉄のなにわ筋線が開業する予定で、梅田エリアと関西空港の短絡ルートになる。
なにわ筋線~なにわ筋連絡線~新大阪連絡線のルートが整備されると、阪急線の各方面から関西空港方面へのアクセスが改善されるほか、阪急電鉄も新大阪~関西空港のアクセス列車を運転できるようになることが考えられる。
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