流鉄(千葉県)は6月8日、国土交通省の関東運輸局長に鉄道事業旅客運賃の上限変更認可を申請した。改定率は平均9.864%。認可された場合、流鉄は来年2024年4月1日に運賃を値上げする考え。値上げが実施されれば1989年以来35年ぶり。
普通旅客運賃の上限は、初乗り(~2km)が現行130円のところ10円値上げの140円。3kmも10円値上げの150円で、それ以外の距離帯は20円の値上げだ。馬橋~流山は現行200円が220円に改定される。
定期旅客運賃の割引率は、通勤が現行35.6%のところ35.3%に引き下げ。通学は現行54.3%から引き上げられ54.6%に改定される。大人1カ月の場合、6km区間で通勤が810円値上げの8870円。通学は580円値上げの6320円になる。ほかの料金なども一部改定の予定だが、定期券などの払い戻し手数料(220円)は据え置く。
流鉄は常磐線の馬橋駅で分岐して流山駅を結ぶ5.7kmの流山線を運営。消費税率の引き上げに伴うものを除き1989年から運賃を改定していない。
同社によると、この間、つくばエクスプレス線(TX)の開業(2005年)とそれに伴う並行路線バスの開業で利用者数が減少。2022年度はTX開業前(2004年度)の半分ほどに落ち込んでおり、鉄道事業は慢性的な赤字だ。老朽化する施設や車両などの維持費用を不動産事業などの収入から捻出する内部補助も限界で、現行運賃での鉄道維持は難しいと判断したという。
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