豊肥本線の特急「あそ」「かわせみ やませみ」廃止 TSMC進出で普通列車は増強



JR九州は来年2025年3月15日に実施するダイヤ改正で、豊肥本線の輸送体系を見直す。特急列車は一部列車を廃止。普通列車は熊本寄りで増発や車両の増車を行い、混雑緩和を図る。

特急「あそ」や「九州横断特急」で運用されているキハ185系気動車。【画像:カムラン/写真AC】

豊肥本線の特急列車は現在、原則として熊本~大分を結ぶ「九州横断特急」1往復と熊本~宮地を結ぶ「あそ」1往復が定期列車として運行されており、ほかに観光列車として熊本~別府を結ぶ「あそぼーい!」1往復(一部の日は「九州横断特急」の臨時列車として運行)と熊本~宮地を結ぶ「かわせみ やませみ」が土曜・休日を中心に設定されている。

ダイヤ改正後は「九州横断特急」を1往復増発。JR九州はこれにより熊本~大分での乗車機会を増やすとしている。「あそぼーい!」は運行区間を熊本~宮地に短縮したうえで運行本数を2往復にする。あわせて「九州横断特急」「あそぼーい!」の停車駅を見直し、水前寺・武蔵塚・光の森・赤水・中判田は通過駅に変更する。一方、「あそ」は廃止に。「かわせみ やませみ」は土曜・休日を中心とした定期的な運行を終了する。

「あそぼーい!」は運行区間を熊本~宮地に短縮する。【画像:いっちー1710/写真AC】
「かわせみ やませみ」は土曜・休日を中心とした定期的な運行を終了する。【画像:東西南北そうだ/写真AC】

普通列車は熊本~肥後大津の電化区間で増発や増車を実施する。朝の光の森発着の列車は運行区間を拡大し、肥後大津発着に変更。朝ラッシュ時は熊本着7~8時台の2本と熊本発7時台の1本を現在の2両編成から1~2両増やして3~4両編成に変更する。

豊肥本線の電化区間では普通列車の増強を図る。【撮影:草町義和】

豊肥本線の熊本寄りでは、台湾の半導体メーカー「台湾積体電路製造」(TSMC)が沿線の菊陽町に進出したのを機に、ラッシュ時の混雑が激しくなっていた。

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