横浜市は1月28日、来年度2022年度当初予算案の概要を発表した。総計は3兆8074億円で前年度2021年度に比べ2.4%の減少。このうち一般会計は1.6%減の1兆9749億円になった。鉄道関係では相鉄・東急直通線の整備推進や横浜市営地下鉄ブルーラインの延伸推進、グリーンラインの輸送力増強、相鉄本線の連続立体交差事業(連立事業)などを盛り込んだ。
羽沢横浜国大~新横浜~日吉間を結ぶ相鉄・東急直通線の整備事業には81億4000万円を計上。2023年3月の開業に向け、工事や開業準備を進める。また、ブルーラインの延伸事業とグリーンラインの輸送力増強、構想路線の検討に27億7400万円を計上した。
ブルーライン・あざみ野~新百合ヶ丘間の延伸事業は関係機関との協議・調整、行政手続きを引き続き進めるとともに調査・設計の深度化を図り、早期の事業着手を目指す。あわせて新駅設置に伴う公共交通ネットワークや関連する交通基盤などの検討を引き続き行う。
グリーンラインは現在4両編成17本が運用されているが、このうち10本に中間車2両を増結して6両編成に増強する。今年2022年夏頃から6両化した編成を順次導入する予定。2022年度と2023年度に各3本を導入し、残り4本は2024年度に導入される計画だ。
構想路線は2016年に国土交通大臣の交通政策審議会が答申した『東京圏における今後の地下鉄ネットワークのあり方等について』(交政審189号答申)を踏まえ、横浜環状鉄道(グリーンラインの延伸)などの検討を引き続き行う。
連立事業は6億3200万円が計上された。相鉄本線の鶴ケ峰駅付近を地下化して踏切を解消する。2022年度上半期の事業認可を経て下半期に着工する計画。完成は2023年度を予定している。
このほか、2027年の国際園芸博覧会(花博)会場となる旧上瀬谷通信施設の土地利用の推進に58億6000万円を計上。区画整理や周辺道路の整備などに加え、新たな交通の検討調査や花博会場への輸送手段検討も盛り込んだ。
相鉄本線の瀬谷駅と上瀬谷を結ぶ新交通システム「上瀬谷ライン(仮称)」が計画されているが、採算性に課題があることや事業期間の短さなどから、横浜市は花博開催までの整備を事実上断念。山中竹春市長は2021年12月、代替策としてバスを活用した公共交通の整備などを検討する考えを明らかにしている。
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