山梨県と小田急電鉄は11月21日、登山道の維持管理システムの実証実験を連携して行うと発表した。小田急が開発した「登山道維持管理DXシステム」を使用し、維持管理業務を効率化できるかどうかを検証する。
小田急の登山道維持管理DXシステムは踏査損傷調査アプリと登山道管理システムで構成される。登山道の損傷した部分をスマートフォンで撮影することで、事前にシステムに入力しておいた構造物の設置日や前回点検日、修繕履歴など管理に必要な情報を自動でひも付ける。三次元情報の撮影に対応したスマホを使うと、損傷状態を精微に把握することも可能になる。
実証実験は11月29日から来年2025年2月28日まで、秩父多摩甲斐国立公園の瑞牆山内登山道や西沢渓谷歩道など山梨県が管理する登山道で実施。踏査損傷調査アプリは画像情報と管理情報の連携やアプリの動作状況と操作性などを検証し、登山道管理システムは事務作業の簡略化などを検証する。
山梨県と小田急電鉄によると、登山道の定期点検で損傷を見つけた場合、損傷した部分の計測や修繕に向けた下見など徒歩で何度も現地確認を実施。現地状況を文字で記録したのち、紙ベースでの管理台帳化と情報共有を行うため、修繕を実施するまでに多くの人手と時間がかかる。今回の実証実験を通じて入山回数の削減など業務効率化の度合いを検証するほか、改善点の洗い出しなどを行うという。
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