IHI「新潟トランシス売却」地方向け気動車や超低床電車など製造、前身は新潟鉄工



IHIは8月6日、連結子会社の新潟トランシスを売却すると発表した。IHIの取締役会は同日、ジェイ・ウィル・パートナーズ(JWP)が運営するファンドが設立したジェイ・ケイ・エフに新潟トランシスの全株式を譲渡することを決議した。

新潟トランシスの前身の新潟鉄工所が製造した国鉄準急形気動車のキハ44800形(のちのキハ55形)。【出典:『鉄道工場』1956年12月号、レールウエー・システム・リサーチ】

新潟トランシスは2001年に経営破綻した新潟鉄工所の事業のうち、鉄道車両や除雪機械などの事業を引き継いだメーカー。2003年、石川島播磨重工業(現在のIHI)などが出資して設立され、2006年に石川島播磨重工の完全子会社になった。

鉄道分野では、おもに地方向け気動車や超低床式電車、ゴムタイヤ軌道交通システムの車両、保守車両の設計・製造・保守の事業を展開している。本社・工場は新潟東港の近くにある。営業利益は2022年度が17億4600万円の黒字、2023年度が21億4500万円の黒字で、2024年度は5億1100万円の赤字。

新潟トランシス製の地方向け気動車(のと鉄道NT200形)。【撮影:草町義和】
新潟トランシスが製造した超低床式電車のライトラインHU300形電車。【撮影:草町義和】
新潟トランシス製のゴムタイヤ軌道交通システム車両(日暮里・舎人ライナー300形)。【撮影:草町義和】

IHIによると、鉄道車両市場は海外で人口増加による需要の増加が期待され、除雪機械市場も北米や中国を中心に需要の拡大が見込まれている。こうしたことから鉄道車両や除雪機械の事業成長に向けた検討を実施。その結果、全国各地の中堅中小企業への支援実績や知見を最大限に活用できるJWPへの売却を決めたという。

株式譲渡日は今年2025年12月30日の予定。IHIは「今後、新潟トランシスは、JWPの経営支援を得ながら、国内の保守車両や除雪機械市場における競争力の強化や、成長が見込める海外市場への展開により、国内外に魅力ある製品・サービスを提供してまいります」としている。

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