日立レール「電車なのか気動車なのか」英国でトリプルモードの新型車両を受注



日立製作所は4月3日、同社グループの日立レールが英国のアリバグループから新型の「トリプルモード車両」を受注したと発表した。アリバグループのグランドセントラルが運行する列車で運用される。

日立レールがアリバグループに納入する「トリプルモード車両」のイメージ。【画像:日立製作所】

トリプルモード車両は、パンタグラフ・バッテリー・ディーゼル発電機のいずれかから供給される電力を使用して走る車両。電化区間では電車として走り、非電化区間では蓄電池電車または電気式気動車として走る。座席数が2割増え、ロンドン・ヨークシャー・北東部を結ぶ列車で新たに年間40万席を提供することが可能だ。

日立レールは同社のニュートン・エイクリフ工場で45両(5両9編成)を製造し、2028年に納入する予定。契約額は10年間のメンテナンス付きで約3億ポンド(約580億円)になる。日立製作所は「グランドセントラルの全車両を最先端の車両に置き換えることで、地域経済を活性化し、より快適で環境に優しい移動手段を乗客に提供します」とアピールしている。

英国の鉄道は上下分離方式の一種である「オープンアクセス」を採用。線路の所有事業者が運行事業者に対し、列車のダイヤごとに運行する権利(アクセス権)を付与する。鉄道規制当局がグランドセントラルに対し既存の路線アクセス権を2038年まで延長することを許可したことから、アリバグループはトリプルモードの新型車両を発注した。

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