東京メトロは英国の首都ロンドンの鉄道路線「エリザベス線」の運営に参画する。ロンドン市交通局(TfL)は11月19日、ゴーアヘッド・グループと東京メトロ、住友商事の3社が設立したGTSレールオペレーションズに同線の運営事業を発注すると発表した。
エリザベス線はロンドン西部のヒースロー空港やロンドン中心部を経て東部を結ぶ全長117km・41駅の地下鉄路線。このうち42km・11駅が地下区間になる。総工費は189億ポンド(約3兆8000万円)で2022年5月に開業。この年がエリザベス2世女王(2022年9月死去)の在位70周年だったことにちなんでエリザベス線と名付けられた。現在は香港鉄路(MTR)が運営している。
GTSレールオペレーションズの出資割合はゴーアヘッドが65%で、東京メトロと住友商事が各17.5%。今後、GTSレールオペレーションズとTfLが契約を締結し、MTRからの移管を経て来年2025年5月から鉄道運営事業を開始する。契約期間は7年。最長2年半のオプションが付く。
ゴーアヘッド・グループは英国のニューカッスルに本拠を置く交通事業者で、欧州各国やシンガポール、オーストラリアで鉄道・バス運営事業を展開している。
東京メトロはこれまでもベトナムなど海外の鉄道の整備に協力しているが、海外鉄道路線の運営事業に参画するのは初めて。同社は「海外鉄道事業の拡大による収益獲得を目指すとともに、利便性の高い都市鉄道システムの実現により、海外各都市の発展に貢献することを目指しています」としている。
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