宇都宮ライトライン西側延伸「延期」へ 市長公約「2030年開業」困難に



宇都宮市はライトラインの西側延伸について、これまで目標としていた2030年の開業を延期する考えを明らかにした。

ライトラインの宇都宮駅東口停留場。写真手前の空間が西側延伸用地になる。【撮影:草町義和】

8月1日に開かれた宇都宮市議会の議員説明会で、宇都宮市が現在の検討状況や今後のスケジュールなどを示した。それによると、今年2025年10月をめどに軌道事業特許を申請。特許取得後、軌道施設の詳細設計や軌道法に基づく手続きを経て、2028年内の工事着手を目指す。

開業予定時期は「用地買収に伴う交渉期間や地下埋設物の移設などを踏まえて工程計画の精査を進めているところであり、2030年の開業は厳しい見込み」との考えを示した。

ライトラインの西側延伸は宇都宮駅東口~教育会館前の約5km。宇都宮市は2022年8月時点では2030年代前半の開業を目指すとしていた。しかし昨年2024年11月の宇都宮市長選で、2030年の運行開始を公約に掲げた現職の佐藤栄一市長が当選。今年2025年2月に宇都宮市は2030年の開業を目標にすることを明らかにしていた。宇都宮市は今回、「2030年代前半」などといった大まかなめども示しておらず、新たな開業目標時期は未定となった。

ライトライン西側延伸のルートの停留場の位置。【画像:宇都宮市】

事業費についても宇都宮市は「引き続き、交差点形状や地下埋設物等に関して関係機関などとの協議を行うとともに、需要予測の結果をもとに運行計画等の検討を深めながら施設計画や車両編成数を固めるなど、本年5月にお示しした『概算事業費の試算値』の精査を進めていく」とし、依然として不確定要素が多いことを示唆した。

西側延伸の事業費は従来の推定では400億円だったが、今年2025年5月に宇都宮市は約1.75倍の700億円程度を見込むとしていた。

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ライトラインの延伸(西):宇都宮駅~教育会館~大谷(未来鉄道データベース)