阿佐海岸鉄道「DMV」実施運賃を届出 鉄道区間は「値上げ」と「値下げ」



阿佐海岸鉄道は11月24日、認可された上限運賃の範囲内で実際に適用する運賃(実施運賃)を四国運輸局長に届け出たと発表した。

阿佐東線に導入されるDMV。【画像:徳島県】

上限運賃は7月26日付けで認可されており、阿佐海岸鉄道は認可された上限運賃より安い実施運賃をこのほど届け出た。デュアル・モード・ビークル(DMV)の営業運転が始まる12月25日から適用される。

普通旅客運賃は初乗り(5kmまで)が200円で、現行運賃より20円の値下げ。7kmまでは60円値上げの300円、9kmまでは130円値上げの400円になる。10kmまでは500円だ。通勤定期運賃(1カ月)は7kmまでが現行運賃より安くなり、8km以上は値上げ。通学定期運賃(1カ月)は5kmまでが値下げで6km以上は値上げになる。

阿佐海岸鉄道「DMV」の運行ルート。【画像:徳島県】

阿佐海岸鉄道は阿波海南~甲浦間10.0kmの阿佐東線を運営。現在はバスによる代行輸送が行われているが、12月25日からは線路と道路の両方を走れるDMVを導入して鉄道の運転を再開する。鉄道区間の前後では道路に乗り入れ、阿波海南文化村~道の駅宍喰間の約15kmで直通運転を実施。土曜・休日は道路の運転区間を拡大して室戸方面にも直通する。

道路区間を含む運賃は、阿波海南文化村~道の駅宍喰温泉間の約15kmで800円。室戸方面への直通運転では、阿波海南文化村~海の駅とろむ間の約50kmで2400円になる。

鉄道区間と道路区間の運賃。【画像:徳島県】

世界的にも珍しい鉄道・道路の直通車両の営業運転で注目を集めていることや、DMVの乗車定員が18人(座席)と少ないことから、運行開始直後の繁忙期は一部を除き乗車予約制になる予定。12月2日12時から高速バス予約サイト「発車オ~ライネット」で予約を受け付ける。

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