南海電鉄は12月4日、大阪・新世界の展望塔「通天閣」(大阪市浪速区)を運営する通天閣観光の株式を取得すると発表した。12月27日に通天閣観光株式の70.8%を取得して子会社にする。
通天閣は1912年に完成。1943年の火災と戦時下の鉄材供出のため解体されたが、戦後に地元有志が再建を計画し、1956年に現在の2代目通天閣が建設された。地上からの高さは108m。2007年、登録有形文化財に登録されている。
通天閣がある新世界は南海電鉄の今宮戎駅や新今宮駅、南海グループの阪堺電軌の恵美須町停留場などに近い。南海電鉄は株式の取得を通じて通天閣や公共交通、不動産などの多様なリソースを掛け合わせられる体制を構築。南海電鉄の難波・新今宮エリアの活性化構想「グレーターなんば」などのエリアマネジメント戦略を推進し、企業価値の向上を目指すとしている。
東京の展望台付き電波塔「東京スカイツリー」(高さ634m)は東武鉄道の完全子会社「東武タワースカイツリー」が運営。東京と大阪を代表する東西の展望施設が両方とも大手私鉄の傘下に入る。
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