沖縄モノレールの2駅「駅舎増築」検討 利用者は1.5~1.7倍、3両化計画も進行中



沖縄都市モノレール線(ゆいレール)を運営する沖縄都市モノレールは、駅舎の増築を検討して基本計画を策定する。基本計画策定業務委託の一般競争入札を9月17日に公告。10月14日に開札する。履行期限は来年2022年3月20日。

ゆいレールの列車。【撮影:草町義和】

この業務では那覇市内の県庁前駅と那覇空港駅の2駅について、利用状況(コロナ前)や運行状況、駅施設の現状、改築計画を整理。目標需要量の設定や駅舎施設の適正規模の検討、増築する場合の比較検討案の作成を行い、基本計画を策定する。工事費の概算や工程の検討なども行う。

このうち比較検討案は3案程度を作成。県庁前駅は周辺の開発計画を踏まえ、自由通路の整備も含め検討する。

ゆいレールは2003年、沖縄では戦後初の常設軌道交通として那覇市内の那覇空港~首里間が開業。2019年には、てだこ浦西駅(浦添市)まで延伸開業した。列車はすべて2両編成だが、利用者の増加を受けて3両編成化が計画され、ホームドアの更新など準備が進められている。

駅舎の増築も利用者増加対策の一環で、今年2021年6月に沖縄県が公表した新たな振興計画の素案に盛り込まれた。

2003年に開業したころの県庁前駅。【撮影:草町義和】

沖縄都市モノレールによると、県庁前駅の1日平均乗降客数は2003年度が約9500人だったが、てだこ浦西駅まで延伸された2019年度は約1万4200人で、開業時から約1.5倍の増加に。2014年度頃から混雑が激しくなり、朝夕ラッシュ時には改札口やコンコース、ホームで深刻な混雑が発生している。

空港と直結している那覇空港駅。【撮影:草町義和】

那覇空港駅も1日平均乗降客数は2003年度が約8200人だったのに対し、2019年度は約1.7倍の約1万4000人に。2030年度には約1万8200人になると予想されている。空港に直結する同駅は、エレベーターが大型のキャリーバックを携行する観光客であふれ、切符購入のため券売機前から空港ビル出口まで長い列ができるなど、こちらの混雑も深刻な状況という。

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