国土交通省は7月9日、2020年度の都市鉄道の混雑率調査結果を公表した。新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、調査対象の各線区とも混雑率が低下。東京・名古屋・大阪の三大都市圏はいずれも「定員」といえる100%近くまで低下した。
東京圏の平均混雑率は2019年度が163%だったのに対し、2020年度は107%に。大阪圏は103%(2019年度は126%)、名古屋圏は104%(同132%)だった。
調査対象となった全国の各線区で、最も混雑率が高かったワースト1位は東京都交通局が運営する日暮里・舎人ライナー。赤土小学校前→西日暮里間の混雑率が140%(2019年度は189%)だった。2位は新潟市内の信越本線・新津→新潟間で135%(同141%)、3位はさいたま市内の武蔵野線・東浦和→南浦和間の134%(同166%)だった。
混雑率が例年ワースト1位の東京メトロ東西線・木場→門前仲町間は123%。2019年度の199%から70ポイント以上低下した。
混雑率自体は総じて低下しているが、大都市圏は緊急事態宣言が複数回発出され移動の自粛が強まったほか時差出勤・テレワークの普及が進んで混雑率が大幅に低下した一方、地方都市圏では緊急事態宣言がほとんど発出されず、時差出勤やテレワークの普及も進まなかったことから大幅な低下がなかったとみられる。
三大都市圏の主要駅の利用状況(2021年6月実績)も、大幅に低下した。2019年の利用状況を100とした場合の今年2021年の指数は、JR東日本の東京駅が49で、ほぼ半減。JR西日本の大阪駅は70、名古屋市営地下鉄の名古屋駅は64だった。
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