なにわ筋線「6カ所」準備工事など進む 2023年度の工事実績、着手しなかった工事も



大阪市は7月29日、大阪市内の主要エリアを南北に縦断する地下新線「なにわ筋線」の昨年度2023年度の工事実績などを公表した。立坑や駅が設けられる場所で準備工事などが進んでいる。

なにわ筋線が乗り入れる大阪駅の地下ホーム(うめきたエリア)。【撮影:草町義和】

2023年度の工事は「北梅田立坑」「国道2号開削部」「中之島駅」「西本町駅」「JR難波駅取付部」「南海新難波駅立坑」の6カ所で実施。このうち北梅田立坑とJR難波駅取付部は2023年度から工事が始まった。

工事の内容は次の通り。

●北梅田立坑
開削・立坑工事:準備工事

●国道2号開削部
開削・立坑:準備工事

●中之島駅
開削・立坑工事:準備工事・土留工事

●西本町駅
開削・立坑工事:準備工事・土留工事・地盤改良工事

●JR難波駅取付部
道頓堀川開削工事・JR難波駅取付工事:準備工事・仮締切工事

●南海新難波駅立坑
分岐部開削工事・立坑工事:準備工事

南海新難波(仮称)~南海新今宮の開削トンネル部区間と掘割・擁壁部区間は2023年度から工事が始まる予定だったが、関係機関との協議や調整により工程が見直され、工事に着手しなかった。

なにわ筋線のルート(赤)と2023年度の工事実績(青)。【画像:国土地理院地図、加工:鉄道プレスネット】

なにわ筋線は、大阪(うめきた)~西本町~JR難波・南海新今宮を結ぶ合計約7.2kmの新線。ルートの大半は大阪府道41号(なにわ筋)の地下を通る。JR東海道本線貨物支線(梅田貨物線)やJR阪和線や南海本線などを介し、新大阪・梅田・難波・天王寺などの大阪主要エリアと関西空港を短絡する。

第三セクターの関西高速鉄道が整備主体(第3種鉄道事業者)で、JR西日本と南海電鉄の2社が営業主体(第2種鉄道事業者)として関西高速鉄道から線路施設を借り入れて列車を運行する。大阪(うめきた)~西本町が2社の共同営業区間で、西本町~JR難波はJR西日本、西本町~南海新今宮は南海電鉄がそれぞれ単独の営業区間になる。開業は2031年春の予定。

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