銚子電鉄が古着回収サービスとコラボで「新車両」導入へ 売上金で中古車を購入



日本リユースシステムの古着回収サービス「古着deワクチン」は銚子電鉄(千葉県)とのコラボ商品「銚子電気鉄道100周年応援パッケージ」を7月10日に発売した。売上金の一部は銚子電鉄が導入する「新車両」の購入費に充てられる。

2000形の第2001編成(塗装変更前)。【撮影:草町義和】

「古着deワクチン」は不要になった衣類などを回収する社会貢献型の有料サービス。利用者が専用回収キットを購入し、キットに含まれる回収袋に衣類などを詰めて送付する。専用回収キット1口につき5人分のポリオワクチンを開発途上国の子供に寄付しているという。

専用回収キットの販売額は2500~3500円だが、「銚子電気鉄道100周年応援パッケージ」は5500円。売上金はポリオワクチン寄付のほか、銚子電鉄の「新車両(中古)」の購入費用にも充てられる。

「特別オリジナル弧廻手形(1日乗車券)」が付くほか、新車両で運行する貸切列車への招待券、新車両の導入支援を証明するデジタル証明書、新車両の車内での名前掲示といった特典も付く。販売期間は7月10日から最長6カ月まで。1万個限定で完売次第販売を終了する。

銚子電鉄の竹本勝紀社長は7月9日に行われた開業100周年記念イベントで、「新車両」を導入する計画を明らかにするとともに、鉄道車両の改造などを行っている京王グループの会社「京王重機整備」との連携協定を締結した。5000万円で中古車両を購入し、来年2024年2月ごろに導入する考え。どの鉄道事業者からどの車両を購入するかは明らかにしていない。

銚子電鉄は現在、旅客列車用として2000形電車の2両編成2本と3000形電車の2両編成1本を保有。所定ダイヤ上は2本必要で、これに予備を加えた3本を交代で運用している。

2000形の第2002編成。【撮影:草町義和】
3000形の第3001編成。【撮影:草町義和】

3000形の第3001編成が法定検査のため使用できない状態だった昨年2022年1月、2000形の第2002編成が故障。運用できるのは2000形の第2001編成だけになり、2月まで列車を減便する事態になった。車両の早期更新が必要な状況だ。

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