ライトライン西伸「バス3割削減」「大通りイベント継続」市が方針 東武線乗り入れは?



宇都宮市は2月3日、ライトラインの西側延伸計画について、延伸が実現した場合の路線バスの再編などに関する方針を示した。ライトラインの延伸にあわせ、郊外部や都心部のバス路線を充実させることを目指す。

自動車をかき分けるようにして走るライトラインの電車。【撮影:草町義和】

ライトライン西側延伸後の路線バスは、バス事業者の事業継続性や既存利用者の利便性に配慮しながら再編する考えで、ライトラインと重複する大通り区間のバスを3割程度削減する方針。これにより捻出されるバス車両や運転士(バスリソース)を活用し、別の幹線バスや都心部の循環バスの充実を図る。

バス再編前のイメージ。宇都宮市西郊の各方面から宇都宮駅に乗り入れるバスが運行されている。【画像:宇都宮市】
バス再編後のイメージ。宇都宮市西郊の各方面からライトラインの停留場に連絡するバスや、都心部を循環するバスの充実を図る。【画像:宇都宮市】

捻出されるバスリソースは2023年9月時点の運行状況をもとに、距離ベースで約3000km、運行本数ベースでは約300本と試算。宇都宮市は今後、バス事業者と協議を進め、開業2~3年前をめどに具体的な運行計画案を公表する考えだ。また、大通り区間のバス停の統合や集約も検討する。

東武宇都宮駅付近では、バス路線の再編などの検討とあわせ、ライトライン・バス・自動車を含む各交通の乗り継ぎ施設の整備について検討中。ライトラインの東武宇都宮駅前停留場(仮称)と東武宇都宮駅を結ぶ東武馬車道通りについても「居心地の良い空間の確保」などの検討を進めている。

一方、ライトラインから東武宇都宮線への乗り入れについては「東武鉄道や沿線市町など関係機関との連携などが必要であり、栃木県の動向を十分に踏まえながら対応していく」とし、具体的な考えは今回示さなかった。

東武宇都宮駅前停留場と東武宇都宮駅の周辺図。【画像:宇都宮市】
ライトラインの乗り入れ案が浮上している東武宇都宮線。【撮影:草町義和】

大通りで定期的に行われているイベントは継続の方針だ。山車の出展やパレードが行われるイベント「ふるさと宮まつり」(毎年8月第1土・日曜)では架線の取り外しなどの対策を実施。自転車競技「宇都宮ジャパンカップクリテリウム」(毎年10月)は必要な幅の確保やレールの養生方法などを検討する。

ライトラインは宇都宮駅東側の区間が2023年8月に開業。宇都宮市は同駅西側の教育会館付近まで約5kmを2030年に延伸開業することを目指しており、今年2025年内には軌道事業の特許を申請する考えだ。

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